【Fun to Dress vol.3】 新生パーソナルオーダーサロンの全貌が明らかに|日本橋三越本店 パーソナルオーダーサロン
日本橋三越本店のパーソナルオーダーサロンは今年、ライフスタイルを網羅するフロアへと舵を切りました。大胆な舵さばきを披露したバイヤー、山浦勇樹が考える新生パーソナルオーダーサロンとは? 2021年秋冬シーズンに向けて仕込んだ数々をみれば、その輪郭がくっきりと浮かび上がります。山浦みずからたっぷりと見どころをお伝えします。
2021年秋冬のテーマはずばり、「Addiction」。
スーツ離れと反比例するようにスーツを愛する人たちの熱は高まっています。それはまさに「Addiction」、すなわち”熱狂”といっていいものです。裾野を広げる努力はゆめゆめなおざりにできませんが、まずはその方々の思いに応えたいと考えました。そこで、2021年の秋冬シーズンは「Addiction」を全体テーマにさまざまな提案をしています。その中でも特に注目したい3つの特長の中からスタイルを5つご紹介します。
【POINT1】100のタータンチェックが揃う
Addiction Style1.ー「TARTAN」
スーツを仕立てる面白さをとことん追求したい──そのアイコンとなりうる存在がタータンチェックです。16〜17世紀にスコットランドのハイランド地方で生まれたといわれるパターンですね。
我々にとっても馴染み深いこのパターンは、数ある服地のなかでも際立って個性的です。紳士のワードローブにあってしかるべきパターンながら、無地流行りの昨今、これを既製服に求めるのは難しい。つまりメイド トゥ メジャーにおいてはまたとない服地といえるのです。
フォーカスするのはダグデールブラザーズのライトウェイト タータン。ダグデールブラザーズは1896年にイギリスを代表する毛織物産業の地、ハダーズフィールドで創業した名門老舗です。高品質なものづくりは世界のテーラーから太鼓判を押されていますが、なかでもライトウェイト タータンは圧巻。そのラインナップは、およそ100!。
タータンだけでこれだけの数を展開するマーチャントは世界広しといえど存在しません。同じブラックウォッチでも古式ゆかしい色合いやヴィヴィッドな色合い──といった具合にテクスチャーのバリエーションを揃えているのも特筆したい点です。
”ライトウェイト”といっても目付けは320gmsあります。トラディショナルなタータンチェックに比べればライトであるというだけで、現代の都市型生活者のライフスタイルに照らし合わせれば適正な目付けといえるでしょう。
この個性的な服地をどう着こなすか。タイドアップならパターン・オン・パターンで思いの丈トラッドを楽しむ、ノータイならファインゲージのニットポロやタートルを合わせて上品にまとめるのが気分です。
100のタータンチェックが揃うダグデールブラザーズであればかならずお好みのパターンがみつかるはずです。なによりバンチブックをめくっているだけで時が経つのを忘れてしまうほど楽しい。この機会にぜひ。
【POINT2】ありそうでなかったスーチング
「Addiction」がウェルドレッサーも満足させる突き抜けた提案だとすれば、ここでテーマに掲げる「New suggestion」はありそうでなかったスーチングの提案です。 Addiction Style2.ー「COMFORT SUIT」
ひとつは週末もスーチングを楽しみたい人のための提案です。キーワードはコンフォート。これを具現するのがフランネルジャージーであり、シャーリングやドローストリングといったスペックです。
フランネルジャージーのおすすめは日本でもおなじみのヴィターレバルベリス カノニコの一品。100%ウールながら、伸縮性にすぐれたその服地はすこぶるコンフォタブルです。カラーパレットはネイビー、チャコール、ミディアムグレイ、ライトグレイ、ベージュ、ブラウンの6色。
上述のようにパンツはコンフォタブルなスペックでアップデートしましたが、ジャケットはテーラーの型紙をそのまま生かしています。コンフォートだからと言って安っぽくならないようにした。重きを置いた結果ですが、そのジャケットは着心地の観点でみたときもポテンシャルが高く、フランネルジャージーをまとったそれは十二分にコンフォタブルです。
Addiction Style3.ー「COAT」
パーソナルオーダーサロンは現在、オンオフの垣根を超えた提案に力を入れていますが、この世界観を端的に表わしてくれるアイテムです。
オーダーというとどうしてもオンタイムのスーツジャケットのようなかっちりとしたスタイルのイメージが強いため、洋服の自由度に合わせた提案が無いように感じてしまうかもしれないですが、実はイタリアのファクトリーブランドが提案しているような気の利いたコートもオーダーできます。
特に今シーズンおすすめなのがスーツの上に着ないコートです。
あらたに型から起こした着丈の長いラグランショルダーは、ニットやスニーカーにだって合わせられる懐の深さがあります。
【POINT3】奥行きをもたらすサンドとストーン、そしてとろけるウール
最後に、素通りすることのできないカラーと素材について。Addiction Style4.ー「COLOR」
無地流行りのなか、半歩先ゆく服地としてご提案したいのがサンドとストーン。前者はベージュ、後者はライトグレイをベースにしたカラーですが、メランジに象徴される奥行きのある色合いに絞ってピックアップしています。
手持ちのアイテムに溶け込む色合いながら、羽織ればじつに上品。その微差は、ファッション巧者であればあるほどたまらないものではないでしょうか。
Addiction Style5.ー「WOOL」
今シーズン注目している素材は、フランネルジャージーと同様の文脈で語られるファインゲージのウール。これまではいかにも英国らしいヘビーウェイトでドライなものが人気でしたが、強さとしなやかさを両立させている素材の人気が高まっています。ドラゴ社のスカイフォールを例にその魅力を説明しましょう。昨年、スーツ生地で提案をしましたが、触りここちが素晴らしく好評いただきました。それを今回はジャケットでもコートでも使える目付のものをラインナップしています。
この服地に使われる糸はスーパー180!。まさにとろけるようにしなやかです。それでいて、カシミアに比べれば普段使いに神経質になる必要がない耐久性があり、手の届きやすいプライスゾーンに落とし込まれています。
以上がこの秋を象徴する取り組みとなります。現代のライフスタイルを踏まえた、仕立てる醍醐味が味わえる服地、あるいはデザインのバリエーション。パーソナルオーダーサロンは従来のサロンのイメージをいい意味で裏切るフロアに変貌を遂げました。わたしも店頭でお待ちしております。どうぞよろしくお願いします。
メイド トゥ メジャー オーダー詳細
- 価格:スーツ 75,900円~ / ジャケット 97,900円~/ コート 187,000円~
- お渡し:約5週間後
● Instagram:@mitsukoshi_mens_personal_order
Photograph:Natsuko Okada
*価格はすべて、税込です。
*本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
お問い合わせ
日本橋三越本店 本館2階 パーソナルオーダーサロン
電話03-3241-3311 大代表
メールでのお問い合わせはこちら