【特集】今年の夏は断然「クラフトビール」!プロが教える、堪能すべきおすすめのビアスタイル3種
伊勢丹新宿店本館地下1階 和酒にあるクラフトビールコーナーが充実しているのはご存知でしょうか。昨年6月から品揃えを強化した同コーナーは、現在国内外の最先端且つ高品質な珠玉のクラフトビールを数多く取り揃えており、百貨店の中でも類を見ない程の厳選されたラインナップに一部マニアの間では話題となっています。
なぜ、今クラフトビールが盛り上がりを見せているのか、その疑問を本館の食品バイヤーと共に同コーナーの品揃えを担当している日本酒類販売株式会社の吉澤拓也さんに聞きました。
「クラフトビールに興味はあるが、何を選んだらいい?」「いつも飲んでいる大手メーカーの国産ビールと何が違うの?」など疑問に答えていただきながら、入門編としての選び方から、こだわりや自分のお気に入りを探しているビールフリークの方向けのおすすめまで、選りすぐりのクラフトビールをご紹介してもらいます!
クラフトビールは進化している!
長引くコロナ禍によって、家でお酒を飲む時間が増えたこともあり、お家で楽しめるこだわりのお酒や、お気に入りのお酒を探している方が増えたことと、日本の大手ビールメーカーがコンビニなどでも気軽に買えるクラフトビールを販売したこともあり、いま、国内の飲酒文化の中に「クラフトビール」を楽しむ気運が高まっています。6年前に日本で「クラフトビール」という言葉が定着してから、国内外のブルワリーから数多くの種類が展開されていますが、そのビアスタイルは様々で、今も進化をし続けています。ここ最近、苦みを抑えてホップの香り成分を強く引き出し、ジューシーさを存分に味わえる“ニューイングランドIPA(ヘイジーIPA)”などの新しいスタイルも登場したこともあり、日本でのクラフトビール熱が再燃しています。
1.吉澤さんに質問!クラフトビールの魅力とは
――クラフトビールの1番の魅力は何ですか。
クラフトビールの魅力はそれぞれの「個性」が楽しめることです。そもそもビールの種類は発酵方法によって大きく「ラガー」と「エール」に分かれていて、日本は食事とセットで楽しめる軽快で”のど越しの良い”「ラガービールの文化」が根強いですが、クラフトビールに多い「エール」は、香りと味わいがバラエティに富んでいて、単体でもゆっくりと楽しめます。
クラフトビールは、地元に根ざした小さな醸造所(マイクロブルワリー)で作られている事も多く、その持ち味を活かしながらそれぞれが競い合い個性溢れるビールを作っているので、日本で一般的に出回っているラガービールとは全く別のジャンルと考えていただけると分かりやすいと思います。
――クラフトビールのトレンドはありますか?
ビールというとドイツなど欧州を連想しがちですが、クラフトビールの先進国はアメリカで、ビアスタイルのトレンドを発信し続けています。クラフトビールマニアの中には「アメリカのビールしか飲まない」という方も大勢いるほどです。クラフトビール大国であるアメリカで作られたチャレンジングなビールが、多くのビアマニアから受け入れられると後に世界的なトレンドとなります。日本でも2~3年前からアメリカのビアスタイルを研究する醸造所(ブルワリー)がたくさん出てきました。
――値段も国も多彩にありますが、クラフトビール入門者はまず何を選べばよいですか?
気軽に試せる”エントリープライス”という意味なら伊勢丹新宿店でも400円代で購入できるものもあります。その中でスタイルも選べますので、香りや味わいが全く違ったビールを飲み比べて楽しんでいただけると思います。
クラフトビールというと瓶のイメージがありますが、国内海外共に現在は缶のタイプが多く出回っています。缶は気密性(密閉性)と遮光性が高いので、樽生のようなフレッシュさが味わえ、さらに持ち運びや後の処理も楽というメリットが多いのが特徴です。
では、ここからは、吉澤さんがおすすめするクラフトビールの3つのビアスタイルとそれぞれおすすめのビールを紹介します。
2.この夏飲むならこの3つのスタイル!!
クラフトビールスタイル別おすすめ9選
【スタイル1】「ペールエール」
程よく香って、ボディも重すぎず、クラフトビール入門者におすすめ
ホップの苦味と香り、さらに麦芽(モルト)由来の甘味をバランスよく感じることができるのが【ペールエール】。ペール(=淡い)な色合いで、スッキリとした飲みやすさが特徴です。比較的ライトな味わいで心地よい飲み口なので、クラフトビール入門者におすすめします。
クラフトビール初心者へオススメなのが、名古屋発のブルワリーで全国的にも人気の高い<ワイマーケット ブルーイング>のクラフトビール。苦みを抑えたライトなペールエールとして女性にも人気です。
また、クリーンな味わいでありながら飲み応え十分なのが<志賀高原ビール>。その名の通り志賀高原で作られていて、ホップの柑橘系アロマと苦味が特徴のペールエールです。
■「ペールエール」おすすめビールはこちら
1.<ワイマーケット ブルーイング>(愛知)
「パープルスカイペールエール」
2.<ワイマーケット ブルーイング>(愛知)
「イエロースカイペールエール」
3.<志賀高原ビール>(長野)
「ペールエール」
【スタイル2】「IPA」
クラフトビールの主役といえばIPA。ホップの醍醐味が味わえる
ホップをふんだんに使用するため、ホップ由来の苦味や香りが強いのが【IPA】の特徴であり人気のポイント。しっかりとしたモルト感(ボディ)やアルコール度数も高いので飲み応えがあり、ホップの魅力を存分に感じられるスタイルです。IPAの中でもさらにホップを増量した「インペリアルIPA(ダブルIPA)」なども続々登場しています。
クラフトビールの主役となっている【IPA】は、インディア・ペールエールの略。18世紀末の大英帝国時代に、ペールエールをインドに送るために醸造されたのが、殺菌効果があるホップをたくさん使った苦みの強いIPAというスタイルでした。現代になって、ビールの特長を出すのに面白いと重宝されるようになり、アメリカで一大ブームが起き、その後世界へ広がりました。
今回紹介する3本は、IPAの中でもさらにスタイルが分かれています。世界の最新トレンドである“ヘイジーIPA”を味わえるのが<バテレ>の「パシフローラ」。苦味をほとんど出さず、ホップの香りが口いっぱいに広がることから“ホップジュース”と呼ばれるほど。
濃厚でジューシーな味わいでトリコになる人が続出しています。開封前にゆっくりとひっくり返してビールのうまみが含まれた澱(おり)を浮かせてからグラスに注ぐのもポイントです。
<ウエストコーストブルーイング>「スターウォッチャー」は、アメリカ・西海岸で主流の”ウエストコーストIPA”というスタイルで、ホップの苦味を強調する典型的なIPA。IPAを知りたい!という方にオススメです。<京都醸造>の「一意専心」は、ベルギー酵母を使った”ベルジャンIPA”で、酵母由来のアプリコットやバナナのようなフルーティーな香りとホップ由来の柑橘トロピカルな香りのマリアージュが楽しめます。
■「IPA」おすすめビールはこちら
4.<バテレ>(東京・奥多摩)
「パシフローラ」
5.<ウエストコーストブルーイング>(静岡)
「スターウォッチャー」
【スタイル3】「セゾン」
ベルギー発祥で、ラガービールのような爽快感があり、人気上昇中
ベルギーで、夏の農作業中に喉の渇きを潤すために飲まれていたビアスタイルが【セゾン】。IPAのような苦味の強調ではなく、セゾン酵母特有のフルーティーでスパイシーな香りに、スッキリとした爽快な飲み口が特徴。日本でも流行り始めています。
ドライな仕上がりながら、ラガービールよりリッチな香りが楽しめることから人気上昇中の【セゾン】。セゾン酵母を使うので、フルーティな香り、スパイシーな香り、ハーバルな香りとともに喉ごしの良さも楽しめます。今回はセゾンの中でもそれぞれの個性が際立つ3本をご紹介します。
■「セゾン」おすすめビールはこちら
「エイティエイト」
「インテグラル」
「一期一会」
クラフトビール界のカリスマが作るサワーエール<ボンシェン>
都内でもごく限られたお店でしか扱いがなく、吉澤さん曰く“伊勢丹新宿店の宝”と呼べるビールが、スイス<BFM>の「ボンシェン」。ビール醸造の天才と呼ばれているジェローム氏は、世界的カリスマで、世界的なトレンドとなっている“サワーエール(酸っぱいスタイル)”に新しい価値観を作り出した醸造家。ワインやスピリッツに使われていたオーク樽で1年以上熟成させたビールをブレンドして作り上げるサワーエール。樽熟成による複雑な香り、深いコクと旨味、力強い酸味は唯一無二の味わいなので、ぜひ一度飲んでみてください。
吉澤さんが解説!クラフトビールについてもっと詳しく知りたい方はこちら!
【関連動画】5分でわかる!クラフトビールの基本『知られざるクラフトビールの世界【クラフトビールの種類編】』
GUIDE by ISETAN MITSUKOSHI
Text:ISETAN MEN'S net
Photograph:Tatsuya Ozawa
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