最近、ファッションに対する考え方が変わったという人も少なくないだろう。自宅と職場の境界線が曖昧になり、仕事用の服に袖を通す機会が減ったかもしれない。今の時代にフィットするのは、”日々の暮らしに寄り添い、かつ気分を上げてくれる服”。今回は〈TOMORROWLAND/トゥモローランド〉のスタッフ4名に、今のライフスタイルに取り入れて欲しい着こなしを提案してもらった。

今回スタイリングを担当したのは〈トゥモローランド〉ウィメンズのPR担当金竹麻姫さんとメンズのPR担当川辺圭一郎さん。伊勢丹新宿店店頭スタッフの寒河江汐里さん・天野仁貴さんの2人がシーンに合わて素敵に着こなします。

肌で感じる、今〈トゥモローランド〉に求められているもの

『Journey/ジャーニー』、『Seamless/シームレス』。この2つが、今シーズンの〈トゥモローランド〉を表すキーワードだ。ONとOFFで区切られていた生活から、継ぎ目のない生活へと変わりつつある今のムードにぴったり寄り添う。私たちの生活が変われば、買い物の仕方も変わっていく。今〈トゥモローランド〉は、何を求められているのだろうか。スタッフ4人がそれぞれ感じていることを率直に語ってもらった。

寒河江：お手入れしやすい服のニーズが高まっているので、接客の際はご自宅でのケア方法を丁寧にお伝えするようにしています。〈トゥモローランド〉のアイテムは意外と自宅でお手入れできるものが多いんですよ。対面で接客するからこそできることに、私たちスタッフの存在意義があるのだと感じています。

天野：自分自身のために洋服を選ぶ方が増え、お客さまにとって”心地よくいられること”は外せないキーワードになっています。洋服はお客さまの日常に寄り添うもの。だからこそ、ある瞬間を彩るものではなく、その後の生活に根付いく洋服をご提案することが大切だと思っています。

金竹：着ていく場所や機会が減った中、それでも〈トゥモローランド〉に足を運んでくださる方はどこへ行くでもなく、日常を楽しみたいと思っている方。これまで以上にお客さまの探究心を感じるんです。装うことを通して旅をするようなワクワク感を届けていきたいですね。

川辺：〈トゥモローランド〉は昔からものづくりに情熱を注いできたので、本質を求める今の世の中とはすごく親和性があると感じています。品質には常に自信を持っていますが、今シーズンはそこにカラーバリエーションや着心地の良さなどの付加価値が加わった。これまで以上に自信を持っておすすめできるアイテムばかりなんです。

シーン別、着こなしの提案

求められているのは”〇〇のため”という限られた用途に対応する服ではなく、日々の暮らしを起点に広がるあらゆるシーンに無理なく心地よく寄り添ってくれる服。では、そんなシームレスなアイテムをどう取り入れていけばいいのだろうか。ここからはスタッフが4つのシーンに沿ってコーディネートの提案と解説をしていく。

Scene1｜仕事終わりに。

仕事終わりに待ち合わせて、つかの間のお出かけ。ONとOFF、どちらのシーンにもはまるいいとこどりなアイテムを選んで、気分良くすごそう。




ウィメンズは、着ていてリラックスできる柔らかなトーンのアイテムをセレクト

金竹：お仕事モードを高めてくれるアイテム選びではなく、ON／OFFがシームレスなスタイリングを意識しました。一枚で決まるドレープタイのブラウスはZOOM会議にも持ってこいなアイテム。唯一、ヒールのパンプスが気持ちをピシっと引き締めるエッセンスになっています。

寒河江：実はこのブラウス、コットンフラワーの柄なんですが、お客さまにお伝えすると”着ていて優しい気持ちになれる！”と好評なんです。

メンズは、カジュアル使いできるアイテムを組み合わせることできちんとした印象を演出

川辺：バンドカラーシャツは、カジュアルさと品の良さを両立したおすすめのアイテム。ダブルのジャケットは絞りがないので着やすく、パンツもステッチがポイントになっている。着心地の良さだけでなく、今のムードにあった抜け感があります。

天野：アウターも”普段使いもできるコート”から”仕事でも着れるコート”にニーズが変化しています。発色や風合いが素晴らしいこのコートは、品質にこだわっている〈トゥモローランド〉だからこそできたアイテムだと思います。

 

Scene2｜お家で楽しむ贅沢なディナー

おうちで少し特別なディナーを楽しむのも、今の時代に合った新しいデートのかたち。華やかさと心地よさを兼ね揃えた洋服をまとえば自然と気持ちも上がる。


女性らしい鮮やかなピンクのニットが主役のコーディネート
金竹：ウールシルクカシミア素材のニットはアンサンブルになっていて、なんと5WAY。着方によって多彩な表情を楽しめるので飽きがきませんし、ポンチョタイプなのでサッと羽織りやすいのもポイント。向かい合って食事をする際、こんな風に鮮やかなカラーを顔まわりに持ってくるとそれだけで表情が明るく見えるのでおすすめです」



寒河江：このニットは毎年人気の定番モデルなのですが、今年はベーシックなカラーよりもピンクやブルーが特に好評です。明るい色を纏っていると、それだけで自分の気持ちを底上げしてくれますよね！」 

メンズは艶のあるシャツにカシミア素材のカーディガン、デニムのスラックスをあわせた程よくエレガントな着こなし

川辺：特におすすめはパンツ。デニムなのにとにかく伸びが良く、履き心地が最高。シャツの素材はコットンキュプラなので、ギラギラせずいやらしくない艶感です。カーディガンは柄の部分の色を美しく出すために素材をメリノウールに変えていて、こちらもこだわりがつまった一品。

天野：このデニムスラックス、店頭でもよく売れています。手に取った方はその伸縮性にみなさん驚かれる。家でくつろぐときにもぴったりなのに、スラックスなのできちんと見える。外出時に着替え直す必要もないんです」
 

Scene3｜夜のリラックスタイム

今日も一日頑張った自分の充電時間。こんな時には五感すべてに心地よいものを選んでとことんリラックスしよう。

淡いトーンのニットカーディガンとニットパンツで大人のリラックススタイル。 

金竹：上質なラムズウールを使用したカーディガンはボタンがシェル素材でできていて、細かいところまでこだわりが詰まっています。パンツは裾がフレアになっているのでラインが美しい。リラックス感はあるけれどちゃんとおしゃれで外にも着ていける、シームレスなコーディネートですね。


寒河江：軽くて柔らかくて暖かいものに包まれるのが嫌いな女性はいないはず！このカーディガンはまさにそんな存在で、着るだけでストレスから開放されていくような感じがします。167cmの私が着ても、小柄な方が着てもちゃんと可愛いバランスに仕上がるマルチプレーヤーなんです」 

 

メンズは、全身〈James Perse/ジェームス パース〉で、素材にも見た目にもこだわった大人の余裕がのぞくスタイリング

 川辺：ヘンリーネックのカットソーは一見ラフな印象ですが、素材にハイゲージのコットンカシミアを使用していて、着ると上品な印象になります。ジョガーパンツは日本製のコットン100%で、形崩れもしにくく、シルエットもテーパードなので程よくきちんと感が出せます」

 
天野：カットソーもジョガーパンツも普段から愛用しています。カットソーは着心地が本当に良いので、年中着まわしているのですが全然伸びないんですよ！長時間の移動の際には絶対にこのジョガーパンツを選びます。スウェットに近い楽な履き心地ですがキレイ目な印象にまとまります」 

 

Scene4｜休日は朝からジムに。体を動かしてヘルシーに！

心も身体も健康にすごしたい。お休みの日は思いっきり身体を動かしてリフレッシュしたい。心も身体も健康でいるために欠かせないのが運動。どんな時でも見た目や着心地の良さにはこだわりたい。

 

ウィメンズは全身〈ジェーム スパース〉1mmもストレスを感じさせないアクティブスタイリング

金竹：〈ジェームス パース〉は上質な素材を使い、楽に着れるけれどそれでいて品良く見える。まさに大人の女性にぴったりなブランドです。ダウンはショート丈を選ぶことでよりヘルシーに見えますし、艶を抑えたマットな素材を使用しているのですごくスタイリッシュですよね。

寒河江：一度着るとその心地よさの虜になってしまい、色違いで買われる方やリピーターが本当に多いブランドです。ぜひ店頭で着心地の素晴らしさを体感してほしいです。

 

メンズは、これまで〈トゥモローランド〉になかったスポーツウェアを使ってコーディネート

川辺：一見ポリエステルジャージのように見えるブルゾンは実はニットでできているんです。撥水加工がしてあったり、襟の後ろにフードが収納してあったり、細かいギミックが詰まったアイテム。エジプシャンコットンを使用したスウェットは肌触りが良く、ウエスト部分にはコーデュロイを使っています。スポーツウェアにもこういう遊び心のあるアイテムを取り入れると面白いですよね」。

天野：今年の春夏から展開しているスポーツウェアはどれも好評で、特にこのブルゾンはずっと店頭に出し続けています。〈トゥモローランド〉らしいトラッドがベースにあるアイテムばかりなので、スポーツウェアの中でも新しいジャンルだと思っています。

あらためて考える”装う”ことの意味

誰かや何かのためではなく、他でもない自分自身のためだけに装うということ。目的や対象のあるお洒落も楽しいが、こんな風に日常を心地よく過ごすためにするお洒落にも充足感がある。これもきっとファッションの醍醐味の一つなのだろう。 

新しい生活のスタイルがもたらした変化を前向きに捉え、これからも〈トゥモローランド〉とともに装うことを思い切り楽しんでいきたい。 
 

Photo：SUZUKI SHIMPEI
text：Rio Hirai