自粛生活中に「クローゼットの中の整理をした」というお声を多く聞きましたが、そろそろ秋冬物との入れ替えを考える時期。特に、ウールの様な天然素材のスーツやジャケット、コートは日頃のケアが長持ちさせるためのポイントです。「ウール生地は生きているので、着たら休ませることも大事。スーツは1日着用したら2日は寝かせます」という、イメージコンサルタント岩見和貴が、ビジネスウェアの日常的なケアをお伝えします。
1.帰宅したら、まずは中身を
帰宅したら、ポケットの中身をすべて出します。疲れて帰ってきて、入れっぱなしだったということも。ポケットの中に物を入れたままだと型崩れの原因になります。まずは何も入っていない状態にします。
2.ジャケットやパンツに合うハンガーでハンギング
ジャケットは肩幅に合った肉厚で前肩の木製ハンガーに掛けます。パンツはパンツハンガーを使って、その重みでシワが伸びる様、裾の部分をハンガーに挟み逆さまに吊るします。湿気をこもらせない様に別々掛けて、部屋の中の換気の良い場所に掛けておきます。
ハンガーは除湿効果のある木製のものがオススメです。今回はメンズ用のものを使用しておりますが、〈ナカタハンガー〉では女性用のハンガーもございます。他にネクタイハンガーやベルトハンガーもございますので、夏場は1日使用したら、ジャケットなどと同様に換気の良いところに吊るしておきましょう。
3. ブラシを片手に、しっかり目視
食事や入浴後(2~3時間)に、ジャケットとパンツの確認をします。ジャケットは肩のホコリ、髪の毛、フケなどが気になったら、上から下へ全体的に優しくブラッシングをします。ブラシのかけすぎも生地を傷める原因になるので、気をつけてください。
〈イシカワ〉洋服ブラシ(ウール・カシミヤ用/馬毛/ウス毛)55,000円
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4.シワやクリース(折り目)が気になったらアイロンを
素材に合ったブラシを使い、ブラッシングをしながらシミや汚れもチェック。ジャケット、パンツそれぞれに5分ぐらい時間をかけます。フランネルなど起毛素材のものはもう少し丁寧に。ジャケットの肘や背中などはシワが残りやすいので、気になったらアイロンをかけます。
左:数日着用後、しわが目立つ 右:アイロンをかけて整える
パンツはクリースが抜けたり、ヒップ周りや膝裏に気になるシワがあればアイロンを掛けてください。特に雨の日や湿気の多い季節はクリースが抜けやすいので必ずチェックします。
5.クローゼットのしまい方もゆとりを持って
ハンガーの間隔は肩が潰れたり、シワが入ったりしない様に前後の間隔を空けてください。ジャケットとパンツを別々に掛けるとさらに良いでしょう。クローゼットの中には除湿剤、防虫剤を備えておいてください。
クリーニングも上手に活用!
クリーニングはシーズン終わりに出してください。シーズン中でもシミが目立ったり、臭いが気になった場合も出します。クリーニングから戻ってきたら湿気がこもらない様、ビニールを外して不織布やガーメントに入れ替えて保管します。カシミヤやシルク混の様な繊細な素材のものは、メンズ館8階=イセタンメンズレジデンスの「ウォータークリーニング」を利用するのも良いでしょう。「ウォータークリーニング」では気温や湿度を保ったナチュラルクローゼットルームで6か月~1年間保管(有料)サービスもございます。
スーツのケアは革靴のメンテナンスもそうですが、癖になると楽しいものです。ジャケットやパンツの毛並みが整って綺麗になっていく事に喜びを感じ、愛着が自然に湧いてきます。日々のケアする時間も楽しんでください。
岩見 和貴
〇いわみ かずき●
伊勢丹新宿店メンズ館カテゴリースペシャリスト。ビジネス一筋約10年、ドレス分野での豊富な知識と経験で
ビジネススタイルを中心にご案内。現在は靴、時計などを含めたトータルコーディネートでのご提案をさせていただいております。
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Text:Makoto Kajii
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