ビンテージシューズで考える秋の装い、個性溢れる5人のスタイル|ISETAN靴博2020
8月26日(水)から、伊勢丹新宿店で開催されるISETAN靴博2020。本館6階=催物場では様々なイベントが控えているが、目玉の一つが希少性の高いビンテージシューズだ。すでに同店メンズ館とはコラボレーションを重ねている高円寺のビンテージショップ「サファリ」がセレクトを担当。〈オールデン〉や〈ジョンロブ〉など、名実備えたブランドによる、エキゾチックレザーや現行にはないカラーのものなど珍しいシューズが並ぶ。今回はビンテージシューズを軸にしたコーディネートをスタッフがモデルとなって紹介する。
クラシックなデザインをストレートに楽しむか、ハズシとして用いるか
展開されるアイテムは、プレーントゥやストレートチップ、Uチップに、ブローグによる装飾を施したものなど、クラシカルなものが多い。かっちりとした仕立てのスーツスタイルに合わせるのが正攻法となるが、ヴェルヴェットのジャケットなどで70sライクに合わせたり、オーバーサイズのコートでさらっと着長して楽しむのも一つの手。
ドレスシューズながらワイズが大きくコバが張っていたり、明るい色のレザーが使ってあったりと、カジュアルに見せられるシューズも多い。既成概念に捕われることなく装いを考えると楽しみも増す。また、セカンドハンドという点では、微力ではあるがサステナブル社会にも貢献できる。ビンテージシューズは一期一会。並んだシューズを前に、あれこれとクローゼットとの相性を考えがら選ぶのも面白い。あくまで感覚は現代的に、ショッピングとその先のコーディネートを楽しんでもらいたい。
コードバンの光沢感をパンツでリンクさせ、ドレッシーに
コードバンの質の良さは〈オールデン〉ならでは。美しい光沢感が味わえる一足だ。表革のチャッカブーツはカジュアルな装いを大人っぽく引き締めたい時に重宝するアイテム。その光沢を拾うように、キルティングのボトムスをチョイスし、統一感を狙った。〈オーラリ-〉のトレンチコートは上襟がスタンドカラーのようなデザインで、ミニマルですっきりとした趣。インナーはライトブラウンのシャツで軽さをプラス。オールブラックだと重たくなりすぎるので、インナーでうまくバランスをとってあげるとまとまりよく見える。
ガンクラブチェックのジャージパンツでボヘミアンチックに
ブローグシューズは、トゥからのグラデーションがエレガントな一足。シューズの色から着想を得て、ブラウン、オレンジなど暖色系のカラーパレットで全身を構成。アラベスク柄のベロアのジャケットはリバーシブル。草花の織り柄が入っており迫力十分。〈トーガ〉のシャツは襟先に赤いプレートがあしらわれ、こちらも存在感を後押し。ジャケットもインナーのシャツも、光を受けて輝く素材がポイントとなる。パンツはぱっと見ウールだが、実はジャージ素材。ややフレアしたシルエットで、裾が靴にいい感じに乗っかってくれる。
ボリューミーで男らしいシューズはストリートに寄せる
〈パラブーツ〉のデッキシューズは質実剛健な作りが得意のここらしく、ボリューミーで男っぽい仕上がりが特徴。アッパーはブラックのヌバックスエードを用いることで無骨なイメージを付与。ここでは、トップスでベロアの素材感をリンクさせてまとめた。トップスがやや艶っぽい印象なので、〈ヴェトモン〉のスエットパンツでストリートライクな抜け感を。ウォータープルーフのハットは〈エンダースキーマ〉のもの。全身をブラックで辛口に見せながらも、素材感で適度にくだけた印象を醸し出している。
ブラックのドレススタイルをビッグシルエットで今っぽく
〈ジョンロブ〉の中でも定番中の定番、ストレートチップの「シティⅡ」。内羽根のドレッシーなイメージを生かして、ジャケット&トラウザーズで上品に着こなし。とはいえシルエットでトレンドを取り入れて、今っぽく着崩している。〈フミトガンリュウ〉のジャケットは、肩の落ちたビッグシルエットで、ドローコードやアームホールのギャザーなど男らしいディテールを採用。〈サスクワッチ ファブリクス〉のパンツはパイルレーヨンのヴェルヴェットにカーディング加工を施し、毛足の長短による傾斜差で柄を出している。シューズはEワイズで幅広だから、ボリューミーな装いでもバランスが取れる。
アースカラーでまとめて、レトロなムードに
〈クロケット&ジョーンズ〉の人気モデル、Uチップ「モールトン」。イエローがかった明るいタンカラーで、オンオフ問わず使える一足だ。コーディネートは、ドレスシューズながら狩猟靴のイメージを生かして、シャツイチでさらっとカジュアルに。シノワズリ刺繍が入ったエキゾチックなシャツは〈トーガ〉のもの。クラシカルな〈ニードルス〉のストレートラインのパンツは裾広のシルエットで靴をしっかりと引き立てます。70年代的ヒッピーテイストをミックスさせたコーディネートに。
Styling:Akihiko Sekigawa
Text:Ryuta Morishita
*価格はすべて、税込です。
お問い合わせ
03-3352-1111(大代表)
メールでのお問い合わせはこちら