2019.08.17 update

【Amvaiコラボ企画】名著から紐解く達人のファッション考vol.5|古書店主・中武康法のルーツとなる“心に刺さり続ける本”前編(1/3)

ファッションメディアサイト「Amvai」のAMVAR=メンバーの中で、名著を語っていただくのに欠かせないあの人がついに登場!――
神保町のすずらん通りにある雑誌を専門に扱う古書店『magnif/マグニフ』の店主、中武康法さんが2冊の本を携えて登場。この企画のナビゲーターを務める柴田は、「会いたかった中武さんにやっとたどり着いた」と静かな興奮を抑えきれなかった。




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【Amvai×徒然なるモノ語り】名著から紐解く達人のファッション考






本を生業としている中武さんが何に興味があるのか


柴田 会いたかった中武さんにたどり着きました(笑)。ファッション最前線にいる人の「記憶の中に閉じ込められているファッション体験を、本や雑誌を媒介にして話を伺う」というこの企画。これまでトラッド系のファッションデザイナーや編集者に登場していただきました。
あの山下英介さんが「世界中の古本屋街では、神保町を超えるところはない」と断言する街で、本を生業としている中武さんが今、何に興味があるのか、常々とても知りたいと思っていたのです。

中武 お声を掛けていただきありがとうございます。今日は『TAKE IVY』の初版本と、ジョン・レノンの伝記的写真集『IMAGINE』を持って来ました。

柴田 『マグニフ』に行くと、よく妄想することがあるんですよ。ふらっと『マグニフ』に立ち寄ると、入口に「伊勢丹メンズに出張中!」という張り紙があって……。

中武 それは面白そうな妄想ですが、どういうことですか!?



柴田 私達の役割として、「新しいモノやコトを育てる」ということと、「多くの人にまだ知られていない世界の面白さを紹介する」というものがあるのではないかと常に感じて今まで走り続けてきました。
世界一の古書の街、神保町には日本人はもちろん外国の方も多く集まっていますが、もっと「東京にある神保町の価値」を知らしめたくて、中武さんと何か面白いことをやるきっかけに出来たらいいな、という妄想です!

中武 ありがとうございます。確かに今、耐震性や老朽化でビルが壊されて、その後にできるでかいビルは大型チェーンの店ばかりになって、個人商店が存在できる場所が限られてきています。それはとても寂しいことなので、百貨店の中に「店ごと現れる」のは面白いですね。

柴田 再版のないファッション雑誌は、かけがえのない文化遺産だと思っているので、ぜひ何か仕掛けていきましょう!!あっ、本の話が早速脱線してしまいすいません…(笑)