【特集】ファッションとミュージックカルチャーがMIXした新たな場がメンズ館2階に登場
メンズ館2階に新設されたカルチャー好きの溜まり場"COM"とは
「伊勢丹メンズ館ではいつも何かおもしろいことをやっている。新しいカルチャーや情報に触れられる。そういった環境を作り上げていきたいと思っています。カルチャー/情報発信の新たな拠点として、メンズ館が認知されていくのが理想ですね」
そう語るのは、メンズ館2階=メンズクリエーターズ バイヤー・樋口淳。入社以来メンズ館2階を見てきた彼にリニューアルの狙いや意図を訊いた。
「メンズ館がオープンした15年くらい前の購買スタイルって、『どこどこのブランド/ショップが流行り』とか、『こういうスタイルがトレンド』のように、表面的な要素が大きかったと思います。そこから時代が変わり、昔のようにひとつの大きなトレンドが牽引するのではなく、ファッションを楽しむ方それぞれの価値観が多様化し、マイクロ・トレンド化してきたように感じます。自分が共感できるデザイナーさんだったり、そのブランドのバックグラウンドやスタイルに価値を見出す。このように、より内面的な要素が重要になってきたのではないかと」
ECサイトや様々なインフラの発達などを経て、目まぐるしく変化する世の中。もちろんそれに伴い、必然的に各々のライフ・スタイルやファッションに求めるものも変わってくる。今回の大規模リモデルは、そんな時流の変化に合わせて、改めてリアル店舗ならではの強みを追求した結果だという。新ステートメントは「男として、そして、人として(As a man, and As a human)」。メンズ館全フロアにおいて、デジタルとアナログ、それぞれの技術と施策を活用し、お客さまそれぞれのパーソナルな購入体験をより促進することが狙いだ。
「今回のリニューアルに際して、2Fフロアでは3つの編集ゾーンを設けました。これはそれぞれのデザイナーやクリエーターが、どのようなバックグラウンドを持ち、何に影響を受けてクリエーションしているかに紐付いています。例えば映画だったりアート、もしくはデザイナー自身が旅した風景だったり……そういった前衛的で芸術家気質なデザイナーを集めたエリア。デザイナー自身の哲学、ポリシーが強く表出した、“スピリット”にフィーチャーしたエリア。そして最後は、ミュージック・カルチャー、スケート・カルチャーといった様々なカルチャーと紐づくエリア。この3つに大きく分けています」
この3つの編集エリア分けに加えて、2Fフロア全体に多数のコミュニケーション・スペースが新設された。これはリアル店舗ならではの強みとして、お客さまとのコミュニケーションをより密にすることを目的とされており、大きいカウンター・テーブルでの接客スタイルからDJブースまで、様々な形態を取っている。
「かつての2Fフロアは多くのブランド・商品が所狭しと並んでおり、良くも悪くも『モノを買う』ということのみに特化していて。でも、今ではネット上で世界中から大体何でも購入することができる。なので、モノを買うだけでなく、『買い物』という行為自体を、その時間と空間を楽しんで頂く。そのためには商品を削ってでも、対話を通してコミュニケーションを密にしていくことが大事なのではないか。そういう想いから、コミュニケーションスペースが生まれました」
Spotify(スポティファイ)と連携した取組みを新たにスタート
2階フロアのDJブースでは、先行オープン初日からすでに多数のDJがサプライズ的にプレイを行っており、買い物中のお客さまにも新たな刺激を提供している。今後は週末を中心にイベント開催も予定されているほか、スウェーデン発の世界最大級の音楽ストリーミング・サービス「Spotify/スポティファイ」と連携した取組がスタートする。
「Spotifyは世界中の音楽に触れることができる一方で、オフィシャルのプレイリストなどでは独自のキュレーション/編集力を発揮していますし、優秀なアルゴリズムでリスナーのパーソナル・データに基づいたレコメンドも行っていますよね。そういった点に強く共感し、今回の取り組みが実現しました。今後は同ゾーンのブランドや世界観とリンクしたプレイリストなどを作成し、そのコードを記載したカードを配布します。モノだけでなくカルチャーも持ち帰って頂くことが狙いです」
今後の展望のひとつとして、「コミュニティの形成」を掲げる樋口氏。
「2Fフロアをファッション好き、カルチャー好きの溜まり場のような存在にしたいと思っています。そんなお客さまが集い、交流し、そこからまた新たなムーブメントが生み出される」
そのためには何が必要なのか、それを考えた結果生まれたのが、2Fフロアで特に目を引く3つのプロモーション・スペースなのだろう。
独自のキュレーションでアーティストやアート作品に焦点を当てる「アートアップ」、最新の注目ブランドをフィーチャーする「ポップアップ」、最後はクリエーター×クリエーターやクリエーター×アーティストなど、掛け合わせのクリエイションを展開する独自のコンテンツをフィーチャーする「パビリオン」。これらのスペースから、様々なカルチャー/情報を発信していく。
【Spotify|VoL.1】ファッションでも音楽でも、自分らしさを求める方へのプレイリスト
記念すべき1つ目のプレイリストは「IDENTITY VoL.1」。現在のトレンドでもある"ストリート"との密接な関係性、そして同コーナーの今シーズンのセレクトのキーワードとなっている「HIPHOP」。
「HIPHOP」をあまり聴かない人には入門編、「HIPHOP」が好きなコアファンでも一目置くスマッシュヒットした名曲をセレクト。ファッションで自分を表現し、音楽でも新しい挑戦や自分らしさを追い求める人へのプレイリストだ。
【Spotify|VoL.2】メンズクリエーターズが厳選した8つのプレイリスト
Vol.2では、<スポティファイ>上で展開されている公式プレイリストの中から8つをメンズクリエーターズが厳選。フロアの販売員が、"スタイリスト"であり"音楽コンシェルジュ"として、ファッションの提案に加え、お客さまそれぞれの好みにフィットするプレイリストを提案する。是非店頭で配布されるステッカー上にある<スポティファイ>コードをスキャンし、プレイリストを満喫して欲しい。
Text:Takazumi Hosaka(Spincoaster)
Photo:Hideyuki Seta
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