【インタビュー】<WHITE FLAGS/ホワイトフラッグス>デザイナー 小此木達也|時代を映すスニーカー、足元に最新のモードを香らせたい(1/2)
浅草の頑固な靴職人を納得させる
桑沢デザイン研究所ドレス研究科を卒業後、<ツモリチサト>のアシスタントを経て<イッセイミヤケ>パリコレクションチームに移籍しました。まずボタンなどの付属品から携わって、ファッション雑貨、靴、バッグ、そしてカットソー、布帛(ふはく)、アウターのデザインへと進むことでスタイリングの構成力がついていきます。振り返れば、一からすべて学ぶことができた幸せな時代でしたね。
靴を担当したときは浅草の工場に足繁く通って、職人たちとよく話をしました。こだわったモノづくりをするには、製法も素材も職人と同じ知識が必要で、知らないと文字通り話にならない。洋服以外のモノ作りでは靴が一番面白かったですね。
出発点は、こだわりが詰まったモードなスニーカー
そんなミヤケ時代を経て2002年に独立。ファッションブランド<TroisO/トロワゾ>を経て、シューズブランド<ホワイトフラッグス>を2011年秋冬にパリで発表しました。当時は海外のラグジュアリーブランドのコレクションにフィットする“ファッション・スニーカー”が日本のブランドにはなく、「こだわりが詰まったモードなスニーカー」としてファーストコレクションとなる7型をパリに持っていきました。
ブランド名が<ホワイトフラッグス>なので、7型全部を白で製作したところ、パリのショールームのオーナーが「どうして白しか作ってないの!?」って驚いていました(笑)。これだとセールスにならないと言われたのですが、「ブランドのコンセプトだから」と言い返していました。
アパレル的な発想でスニーカーを作る
学生時代からファッションが好きで、仕事をするようになってからは、他にはない格好良くて美しいモノを求めてデザインしていきました。今でも見てほしいのはクリエイションであり、自分が求めているのもクリエイションされたもの。中途半端な表現が一番つまらない。
靴のデザインは、素材やテクスチャーの開発と同時並行で進めます。シーズンテーマを考えて、それをもとにデザインと素材をまとめあげて構成していきますが、素材開発は得意なので楽しい作業です。
発想はアパレルのデザインと同じですね。パンツのシルエットが少しずつ変化したり、ビッグシルエットがランウェイに登場するなど、トレンドの空気感はいつも感じているので、今の服と合わせたときに自然とモードを感じられるデザインになっていると思います。
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