2015.10.29 update

JAPAN 靴博 2015 注目の3デザイナーを直撃!!

「JAPAN 靴博2015」──目指すは ”世界一楽しいシューズ・ショッピング” !デザイナーから学生まで、靴にまつわるあらゆる人が参加した“靴の万博”がスタート。「WWDジャパン」が注目デザイナーを直撃します。



目指すは“世界一楽しいシューズ・ショッピング”!「JAPAN 靴博 2015」開幕


伊勢丹新宿店メンズ館は10月28日(水)~11月10日(火)、地下1階=紳士靴で「JAPAN 靴博 2015」を開催します。目指すのは、“世界一楽しいシューズ・ショッピング”!胸がときめくような、独創性に溢れる、クリエーター渾身のスペシャルな靴を一堂にラインアップします。

参加するのは、日本を代表する靴デザイナーから、優秀なファクトリーブランド、ビスポークブランドなど、錚々(そうそう)たる顔触れ。「REGAL/リーガル」などのシューズメーカーも通常の商品とは全く異なる逸品を提案するほか、靴デザイナーを目指す学生の一足も登場します。そのバラエティ豊かなラインアップは、まさに靴の“万博”!「WWDジャパン」は今回、3つの注目ブランドを直撃!「JAPAN靴博2015」の商品に詰め込んだ思いや、こだわりのポイントを聞きました。


MIHARA YASUHIRO
「MIHARA YASUHIRO/ミハラヤスヒロ」のシューズは、“究極のストレートチップ”。デザイナーの三原康裕が一番好きなノルベジェーゼ製法で仕上げている。21万6000円

──今回の商品は“究極のストレートチップ”ということですが、具体的に、何が「究極」なんですか?

シンプルなストレートチップですが、イタリア・イルッチア社のレザーに色を何層も重ねました。内羽根は一枚作りで、踵から見た姿は本当に美しいんです。ヒールがコバより張り出したのは、この靴の職人が自由に表現したもの。職人の技量の表れでもあります。

──ノルベジェーゼ製法の魅力は?他の製法に比べ、何が優れているのですか?

この製法は10年ほど前、イタリアで僕が考えました。ノルベージャンの製法を変化させたものです。ノルベージャンはスキー靴などに水が入らないよう、表と裏の革、インソールとアウトソールを上手く処理する製法。今では手縫いで丁寧に作る高級製法になっています。手縫いの靴は、どんな職人でも1日2足半を作るのが限界です。でも、それが贅沢だと思っています。また、アッパーの革は特別な“なめし”です。ドライクリーニングなどに詳しい科学者が発案したもので、“なめし”の途中で革の繊維を固定しています。こうすると、水はしみ込んでも、強く、安定感のある革になるんです。強度を上げるのにも役立っています。ただ、この“なめし”も効率の悪いもの。でも職人の感覚的な部分が強い靴は、プロダクトとして、人間らしい一足に仕上がっています。


H? Katsukawa from Tokyo
「H? Katsukawa from Tokyo/エイチ カツカワ フロム トウキョウ」のシューズは、こだわりのニベ革を用いた「土に還る靴」。特製の棺桶型の箱に入っている。24万8400円

──ズバリ、「土に還る靴」とは?

私は、靴の職人です。そんな私でも、世の中の諸問題にはしばしば考えを巡らせます。そしてめいっぱい考えを巡らせた結果、世の中の本質的な問題の根本は、土に還れないモノやコトにあるのではないか、との結論に至りました。この世界では、土に還れないモノやコトが問題を起こし続けているんです。この100年間、人類はたくさんの物事を手にした結果、たくさんの物事を失いました。失ったモノは、もう戻りません。だから私は、靴の職人として、土に還る靴を履こうと決意しました。いつか私が土に還る時、私とその靴は、完全に土に還ります。それが、僕にできることです。自然の素材で作られた靴は、土に還りますから。

──イベント終了後、「土に還る靴」は海外に渡ると聞きました。

同じシューズはイベント終了後、イギリス・ノーザンプトンの美術館に収蔵されます。日本人が作る西洋靴としては、史上初めてのことです。


HIROSHI TSUBOUCHI
「HIROSHI TSUBOUCHI/ヒロシツボウチ」のシューズは、グラムロックとトラッドが融合した“グラムトラッド”! 左/6万480円(税込) 右/6万2640円(税込)

──“グラムトラッド”というコンセプトにたどり着いたのは?

私が経験してきた、1960~70年代初頭のスタイルがインスピレーション源です。私はいまも当時をリスペクトしていますし、あの時のスピリットを今の時代につなげることができれば、と思っています。当時は、とてもクリエイティブな時代でした。中学生や高校生になるときに影響を受けたアイビーやトラッド、その後のヒッピームーブメント、ロンドンのグラムロックなどに影響を受けました。アイビーやトラッドの誰にも着こなしやすいスタンダード性と、グラムロックの持つインパクトやメッセージ性をミックスしたいと思ったんです。スタイルはクラシックとモダン、フューチャーなイメージをミックスしています。履けば、意外に着こなしやすいですよ。

イベント情報
「JAPAN 靴博 2015」
□2015年10月28日(水)~11月10日(火)
□メンズ館地下1階=紳士靴


お問い合わせ
メンズ館地下1階=紳士靴
03-3352-1111(大代表)