【対談】藤原氏が手掛ける<New Manual>第一幕の集大成、渾身の10アイテムを限定発売!(1/2)
- 12.18 Wed -12.25 Wed
- 伊勢丹新宿店 メンズ館6階 メンズクリエーターズ
2024年12月18日(水)〜12月25日(水)の期間、伊勢丹新宿店 メンズ館6階 メンズクリエーターズにて<New Manual/ニューマニュアル>のポップアップを開催する。今年10月末に開催された5回目のエキシビションをもって、予定していた全33アイテムをローンチ。同ブランドのディレクターである藤原裕氏が手掛ける最後のコレクションとなった。本イベントでは、ブランド創設時から約3年にわたってリリースしてきた33アイテムの中から、特に反響の多かった10アイテムを伊勢丹新宿店エクスクルーシブで販売する。
特集記事では、藤原氏と担当バイヤー鳥山脩の対談を敢行。これまでのプロジェクトを振り返りつつ、藤原氏が抱く各エクスクルーシブアイテムへの思いや、気になる<ニューマニュアル>第二幕のヴィジョンについて語ってもらった。
- 開催期間:12月18日(水)~12月25日(水)
- 開催場所:伊勢丹新宿店 メンズ館6階 メンズクリエーターズ
渾身の33型を作り終えた達成感と、第二幕の展開に胸が膨らむ
メンズクリエーターズ バイヤー鳥山 脩(以下、鳥山) まずは、これまで本当におつかれさまでした。
<New Manual>ディレクター藤原 裕氏(以下、藤原) ありがとうございます。
鳥山 さっそくですが、<ニューマニュアル>ブランド創設から約3年間をかけて、フルコレクションである33型を作り終えての感想からお聞かせください。
藤原 あっという間でしたし、自分の中ではやりきったという思いが強いです。まず自分が抱く理想のヴィンテージコレクションを作りたいという思いと、サンプルとなるヴィンテージをちゃんと所有した上で、いかにきちんと表現するかということを心がけて、ここまで物作りに向き合ってきました。
藤原 私個人としては約3年間という活動でしたが、デニムを中心に33型のヴィンテージアイテムを作らせていただいた中で、伊勢丹さんでのポップアップはもちろん、展示会などを開催するたびにお客さまが増えていくのが実感できて嬉しかったです。お客さまの中にはアイテムの全てを持っているという方や、自宅のラックが全部<ニューマニュアル>とい方もいらっしゃったり、<ニューマニュアル>というブランドが、いかに愛されているかということがわかりました。
鳥山 僕らもご一緒させていただいた中で、ブランドのパワーを感じました。また、藤原さんのモノ作りに対する向き合い方を目の当たりにし、ヴィテージの魅力により深く触れることができました。それ以外にこの3年間で藤原さんと色んな企画でご一緒したことで、たくさんの貴重な経験をさせていただきました。
鳥山 33型を作り終えたいま、藤原さんはディレクションから離れると伺いました。<ニューマニュアル>は今後どうなっていくのですか?
藤原 来年のコラボ企画など、自分が引き受けたものはやらせていただきますが、<ニューマニュアル>としては”新たなマニュアル”を作ると言いますか、また別の展開があるのだと思います。ただどんな道を進んでいくにしても、ブランドとしてベースになる大事なものはきちんと残しつつ、ずっと愛されるブランドであって欲しいと思います。
鳥山 これからも<ニューマニュアル>はもちろん、藤原さんとも楽しいことを一緒に企画できたら嬉しいです。そして今回のポップアップも、お客さまに喜んでもらえる企画になるように準備を進めていきたいと思っています。
藤原 よろしくお願いします!
鳥山 今回はブランドの集大成として、ポップアップを開催していただけるということで、10型の伊勢丹新宿店エクスクルーシブモデルをご用意いただきました。ちなみに、なぜこの10型だったのですか?
藤原 理由は色々ありますが、一番大きかったのは、ブランドスタート時からデニム中心のブランディングをしてきたので、デニムに絞りたかったということです。あと<ニューマニュアル>自体、加工の表現に力を入れてきたので、その魅力が顕著に伝わるのがデニムであったことも理由の一つです。
鳥山 たしかに”藤原さん=デニム”であり、”<ニューマニュアル>=<ユトリ>の加工”というイメージが強いです。
藤原 例えばGジャンやジーンズを単体でもいいですが、セットアップで紹介するほうが、よりデニムや加工技術の魅力が伝わるように思ったのです。今回は、デニムの中でも特に反響があったものや、個人的に思いれのあるものを選ばせていただきました。
Gジャンは、幻の“小ボタン”を復刻できたことが何よりの喜び
鳥山 今回のエクスクルーシブモデルで、共通するポイントはどんな点ですか?
藤原 今回の10選では、私が<ニューマニュアル>のディレクターとして活動していた3年間、毎日のように着込んだときの表情をイメージして加工をしつつ、デザインを施しているところですね。集大成ということで、ブランドとして3年間の経年変化を表現したいという思いが湧き上がりました。
鳥山 なるほど。いつも加工サンプルはありますが、今回はそういったものはなくイメージで仕上げたということですか?
藤原 そうですね。どのアイテムも、ずっと着込んだらこうなるだろうなという想像のもと、作らせていただいています。色味やダメージがトーンダウンしている分、前回よりも着やすくなっていると思います。
鳥山 なるほど。では、いくつかピックアップをしてお話を伺いますね。どのアイテムにも思い入れがあるかと思いますが、ご自身の中で特に印象的なアイテムはどちらですか?
藤原 まず「#012 LV36’s T-BACK JACKET」ですね。30年代製のGジャンをベースに仕上げたモデルなのですが、25年以上ヴィンテージ業界に身を置く私でもほぼ見ない幻の逸品。最大の特徴は”小ボタン”と呼ばれる、通常のGジャンに付属するボタンよりも小さい仕様になっているところです。
藤原 はい。ヴィンテージを研究しているブランドさんはたくさんありますが、この年代の個体を所有している人は、ほぼいません。小ボタン以外の見どころとしては、襟が少し高めに設定されていることに加え、ポケットのフラップ部分も通常は角ばっているのですが、こちらは少しラウンドしているところ。あと個人的に好きなのが、ボックスステッチのシルエットが細いところ。そういった部分で、見た目のインパクトがだいぶ違います。見本となる30年代製のGジャンが出てこないので、これまでどのブランドさんもレプリカで作れなかった。だからこそやりたいという思いが強かったです。
鳥山 ポイントはこだわって再現しつつ、今のファッションの気分に合わせている。藤原さんのおっしゃる通り、ブランドを象徴するアイテムだなと改めて思いました。あとGジャンでは、セカンドタイプの人気が高いとうかがいました。
藤原 そうですね。「#006 LV 2ND T-BACK JACKET」は、ファーストエキシビションで発売しました。サンプルとなった自分の所有しているGジャンが、色落ちの濃淡が激しくてペンキも飛んでいるなど、ダメージがハードすぎて加工を施す<ユトリ>としてはある意味、一番やりがいがあったんじゃないかな(笑)。ヴィンテージファンの中でもセカンドタイプは人気が高いこともあり、リリースしたアイテムの中ではトップクラスの人気でした。こちら、今回のコンセプトにのっとって、極端な濃淡やペンキダメージなどはあえてつけず、トーンの低い色味に仕上げています。
鳥山 ブランケット付きのジャケットも気になります。
藤原 ありがとうございます。「#018 LV 2ND T-BACK WITH COTTON LINER」は、1950年代に約3年しか生産されなかったデニムジャケットをベース仕上げています。個人的に、バイカーさんに着ていただきたいですね。というのも、コットンライナー付きなので、インナーはTシャツやカットソー1枚だけでも暖かいんです。
鳥山 (Gジャンの背面を見ながら)あれ、バックルがついてる!? たしか前回、このモデルはバックルバックがついていなかったですよね?
藤原 さすがお目が高い(笑)! おっしゃる通り、サードエキシビションで販売した加工モデルは、カットバックルだったんです(※現在<ニューマニュアル>のECサイトで販売されているワンウォッシュタイプはバックル付き)。3年間着込んだことを想定しているので色落ちはしていますが、パーツは逆に復活しているという(笑)。
鳥山 なるほど(笑)。時間が進んで変化をした部分もあれば、元に戻ったところもあるのはおもしろいですね。(眼前に並んだ10着を前に)しかし、こうして並べてみると圧巻の光景ですね。色味やダメージのトーンが統一されたことで、より<ニューマニュアル>らしさが際立っていると言いますか。
藤原 そうですね。基本的に生地も色味も同じということもあり、迫力がりますね。あと<ニューマニュアル>は、生地感&色落ちともに独特ですし、さらにちょっと着込むとほかのデニムにない表情を見せるんです。だから街で着ている人を見かけるとすぐにわかります(笑)。
ジーンズでは、‘80sブラックならではの”ネオヴィンテージ感”を堪能してほしい
鳥山 パンツはいかがですか? やはり初期に発売したごりごりのワーク系のジーンズが気になります。
藤原 そうですね。最初にリリースした「#002 1942 LV JEANS」はストレートジーンズで、モデル名にも入っている通り1942年製をテーマに作ったものです。”いかにもヴィンテージジーンズ!”といった感じの、ワークパンツ然とした太めのストレートシルエットが特徴です。ヴィンテージファンの間では普遍的な人気を誇るシルエットということもあり、おかげさまでリピーターが多いです。今回のエクスクルーシブでは、ほかのアイテムと同じく、3年くらい穿き込んだことを想定しての色落ちを表現していますので、前回とはまた違った魅力を味わっていただけるかと思います。
鳥山 では、ストレートと真逆のシルエットであるスリム系のジーンズはいかがですか?
藤原 そうですね。注目して欲しいのは、1961年から66年までしか生産されなかったという、幻のスリムジーンズをベースに作ったスーパースリムモデルの「#010 LV SUPER SLIM JEANS 」。こちらは今回のエクスクルーシブの中で唯一2色展開「 IDG(インディゴ)」と「 BK(ブラック)」をご用意しています。その他には、ともにインディゴ仕様で、スリムストレートの原型と呼ばれているジーンズをモチーフに仕上げた「#017 LV ‘61s TAPERED JEANS」と、66モデルから着想を得た「#028 LV 66 JEANS」という4型をリリースします。
鳥山 バリエーションも豊富ですね。
藤原 そうですね。とりわけスーパースリムモデルの中でも「#010 LV SUPER SLIM JEANS BK」はチェックしていただきたいです。ブラックのヴィンテージジーンズというものは実際には存在しませんが、最近は80年代製の先染めのブラックは、唯一ヴィンテージジーンズと言われています。今回は自分が一番好きな色落ちに仕上げているので、ぜひお手にとっていただきたいです。
鳥山 では最後に、ポップアップを楽しみにしているお客さまにメッセージをお願いします。
藤原 約3年間、ブランドのディレクターとして服作りに携わり、世界的なハイブランドとコラボをさせていただくなど、想像もしていなかったことばかり起きてとても幸せでしたし、色んな意味で成長をさせていただきました。そんな自分にとっては、伊勢丹さんと開催する最後のポップアップとなります。どのアイテムも自信作となっておりますので、ぜひとも足を運んでいただけますと幸いです。
Text:Kei Osawa
photograph:Tatsuya Ozawa(Studio Mug)
*本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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