【徹底ガイド】フレグランスブランド<フレデリック マル>著名な調香師たちが競演する香りの出版社
現代におけるラグジュアリー パルファムの先駆者の1人―‘エディション ドゥ パルファム’(香りの出版社)として、フレデリック・マル氏が著名な調香師たちと紡ぎだすのは、至高の嗅覚の世界です。本の作者のように、調香師の名前がボトルに記載されています。
調香師たちに時間・原料・コスト等の一切の制限を設けない、この上なくラグジュアリーな創造から生まれるパルファムという芸術は、まさに明日のクラシック。そんな‘香り’との運命の出会いは、人生に色を与え、自信さえももたらしてくれそうです。
調香師たちが競演する香りの出版社、<FREDERIC MALLE/フレデリック マル>について詳しく解説します。
<フレデリック マル>のヒストリー
香水界の貴公子、フレデリック・マル氏はサラブレッド
1962年、フレデリック・マル氏はアーティストや調香師、実業家が名を連ねる家系に生まれました。祖父のセルジュ・エフトレー=ルイシュは、<パルファン・クリスチャン・ディオール>の創設者であり、母親もまた<パルファン・クリスチャン・ディオール>のアート・ディレクターとして長らく指揮をとりました。香りのスペシャリストとして血統を継いだマル氏自身も、現代におけるラグジュアリー パルファムの先駆者として広く知られています。
マル氏と調香師たちとの出会い
若い頃からクリエイティブな世界とビジネスの世界の両面に触れてきたマル氏は、ニューヨーク大学で美術史と経済学を修めます。卒業後は、広告代理店を経てルール・ベルトラン・デュポン社(プレステージ フレグランス ラボラトリー)へ入社。後にフレグランス界で活躍していく数々の調香師と出会い、その後25年以上をかけて彼らと親交を深めながら、原料・構成・調合など香りのあらゆる側面に関する造詣を深めました。
ブランドのはじまりと、偉大な調香師たち
「調香師の創造の自由と、“香り”そのものへ焦点を当てたい」
かつて化粧品会社の多くがブランドイメージという表層的な幻影を追求していた中で、マル氏は“香り”そのものへ焦点を取り戻したいと考え、2000年に自身のブランド<フレデリック マル>を立ち上げます。
香りは芸術、という考えのもと、“エディション ドゥ パルファム”(香りの出版社)をコンセプトに選び抜いた調香師たち自身の名を冠した芸術作品を、マル氏は編集者として寄り添い共に創造します。
<フレデリック マル>のパルファムにその名を連ねる調香師たちは、その卓越した技術と類稀なる才能で世界的に知られ、名だたるブランドで数々の名香を創り上げてきました。しかしそのような実力者たちも、予算や時間の制限、決められたルール、型にはまった調香を強いられるなど、マーケティングによる厳しい現実の中にいました。マルはそのようなパルファム界の実情から、彼らの創造の自由を取り戻し、彼らとともに実現した世界、それが<フレデリック マル>です。
マル氏は、調香師たちの創造の限界を取り払い、更なる領域へ導くことができるよう、原料、時間、テクノロジー、その他すべてに制限を設けません。調香師それぞれが最高の芸術を自由に創造し手掛けられたパルファムは、まさに香りの芸術品といえます。
ブランド創設以来、今もなおマル氏はCEOであり編集者として舵を取り続け、彼と調香師たちとの才能と緻密な計算、パルファムのエキスパートとして互いへの敬意、友人としての深い信頼の基に、共に真のラグジュアリー パルファムという芸術を紡ぎ出します。
製品ラインナップ
明日のクラシック(フレグランス)
フレグランス:一切妥協のないアプローチにより、それぞれの香りが持つ理想的な濃度を調香師が定めているため、製品によりオードトワレからパルファムまで多様ですが、<フレデリック マル>では総称として「パルファム」と呼んでいます。アルコール濃度、原材料などの違いにより製品ごとに価格も異なります。
トラベルケース:10mLのパルファムを収めて携帯するためのケース。ベークライトでレッドとブラックの2色展開。シンプルながら<フレデリック マル>らしいミニマルなデザインが印象的です。
ブランドを代表するパルファム3作品
<フレデリック マル>が創造するユニークな香りの芸術作品から、ここではフレグランスにフォーカスし、3名の調香師の作品をクローズアップします。自由な発想のもと洗練された香りを作る ドミニク・ロピオン氏
ドミニク・ロピオンの調香のトレーニングはフランスの名門ルール・ベルトラン・デュポン社で始まり、フレグランス界で最も著名な技術者の一人として知られるジャン ルイ・シュザックとのパートナーシップを組むことで、その才能は大きく飛躍しました。そして彼は今日、 IFF (インターナショナル・フレーバー・アンド・フレグランス社)のマスターパフューマーに就任しています。ドミニク・ロピオンの作品が特別なものとなる所以は、彼自身のまぎれもないパーフェクショニズムと、自由さ、創造への探究心、そして、相反する性質の香料さえも見事に調和させる卓越した感覚にあります。
完璧主義者ですが、枠にとらわれない自由な発想でフレグランスの創作を続け、フレデリック・マル氏とは25年以上もの間共に、経験を重ねてきた彼は<フレデリック マル>の中でも多くの作品を残しています。
「ポートレイト オブ ア レディー」
Top:ローズ
Middle:ブラックカラント、ラズベリー、クローブ
Base:パチュリ、サンダルウッド、フランキンセンス
オードパルファム「ポートレイト オブ ア レディー」の“エレガンスの擬人化”のような耽美的な香りは、華やかなローズとスモーキーなパチュリが色気を引き立てます。
バロック芸術のように贅沢でシンフォニックなこのパルファムは、その完成された表現を目指し、何百回にも渡る試行錯誤を経て完成されました。どのパルファムにも勝る量のローズ エッセンスとパチュリを使用。シナモン、サンダルウッドそして、とりわけパチュリ、ムスク、フランキンセンスを主体に構成されています。
卓越した美的感覚で優美なアコードを生み出す カルロス・ベナイム氏
カルロス・ベナイムの卓越した美的感覚は、モロッコのタンジールで天然由来の香料に囲まれて過ごした幼少期に育まれました。そして、伝説的なアメリカ人調香師アーネスト・シフタンの下でのトレーニングを経て、より大胆で勇壮な美しさを手に入れます。彼が生み出す非常に優美なアコードは、彼に宿る神秘的な審美眼のなせる技なのです。
「オー ドゥ マグノリア」
Top:レモン、グレープフルーツ、ベルガモット
Base:オークモス、パチュリ
マグノリアの花は、フローラルというよりも柑橘を感じる爽やかな香りが印象的です。カルロス・ベナイム氏は、そのオープニングに、このマグノリアが持つユニークなフレッシュさをベルガモット、グレープフルーツ、レモンのシトラスノートで印象的に表現しました。そして、微かなアプリコットと共に、やがて落ち着いたセンシュアルなノートへと移ろい、ベチバー、パチュリ、ツリーモスの巧みなカクテルが加わることで、纏う者の肌と交わりながら、長時間に渡りその余韻を深く残します。「オードゥ マグノリア」は一見すると非常にシンプルなアコードですが、タイムレスな魅力に溢れた香りです。
アンバーを好み、トレンドをはるかに超越する個性派 モーリス・ルーセル氏
モーリス・ルーセル氏は、1973 年に化学者として<シャネル>のラボラトリーで働き始め、その後、独学で調香師へ転身しました。ムスクやホワイトフラワー、そしてアンバー(植物樹脂が固まることで生まれる「琥珀」)を好んで使用する彼の伝説的な調香スタイルは、よく、大胆なセンシュアリティーにあると言われますが、綿密な方法論を駆使する、彼の根本にある化学者としての気質も、そのフレグランスから窺い知ることができます。
「ムスク ラバジュール」
Top:ベルガモット、マンダリン、ラベンダー
Middle:アンバー、バニラ、ムスク
Base:サンダルウッド、ムスク
モーリス氏が持つ、トレンドをはるかに超越する個性的なパーソナリティーにより、2000年に「ムスク ラバジュール」は生み出されました。この官能的なパルファムは、力強くありながらも、完成された計算に基づいて構成されており、ドラマティックでミステリアスな香りを奏でます。
発売当時「ムスク ラバジュール」はスキャンダラスと騒がれましたが、フレデリック・マルはこの香りを革命的なクラシックであると考えていました。セクシーで荒々しいこのフレグランスを一言で表現するならば、「ラバジュール(破滅)」に他なりません。フレグランス業界を驚かせた、このパルファムは、今日のアンバーの名香として知られています。
イセタンメンズが注目する、2023年おすすめフレグランス3作品
伊勢丹メンズ館で人気の注目すべきフレグランスをご紹介します。1.「ビガラード コンサントレ」
ジャン=クロード・エレナ
【香りのノート】
Top:ビターオレンジ、カルダモン、ピンクペッパー
Base:シダー
軽やかさ、透明感、フレッシュ感をもつオリジナルの処方は、分子蒸留で実現した新しいビターオレンジのエッセンスを加えることでなし得たものです。特徴的な苦みの効いたフレッシュさに、過剰ともいえるシトラスノート、そして微かなローズと、干し草、シダーのウッディベースが、この気取らない構成の非常にユニークな側面を際立たせています。
2.「ローズ トネール」
エドゥアール・フレシェ
【香りのノート】
Top:ローズ
Base:トリュフ(ベチバー、パチュリ、カシュメラン)
調香師、エドゥアール・フレシェが描く 唯一無二のダークでドラマティックなローズの香り
人と同じように、“バラ”も二つとして同じものはありません。「ローズ トネール」は、他に類を見ないほどクラシカルでタイムレス。多面的で多彩な香りが広がります。薔薇の豪奢さにトリュフで陰影を与えることで、優美さを極めたパルファムです。爽やかな側面もありながら、フルーティな側面も感じさせ、すべてが調和しながらも、個性を感じさせます。
3.「アンジェリーク スー ラ プリュイ」
ジャン=クロード・エレナ
【香りのノート】
Top:ジュニパーベリー、ピンクペッパー、ベルガモット
Middle:アンジェリカ
Base:シダー、ホワイトムスク
細やかに音を奏でる室内楽のようなジャン=クロード・エレナの作品は、雨上がりに摘まれたアンジェリカの花束が放つ、つかの間の薫りにインスパイアされて創られました。スパイシーで活気に満ちたアンジェリカルーツ、ジュニパーベリー、ピンクペッパー、コリアンダーのコンポジションが、ムスクとシダーウッドのベッドに寝そべり、柔らかく抱きしめるように香り立ち、纏う者の肌に見事に融合してみせます。
【あわせて読みたい!関連記事】
►【How to】メンズの香水 (フレグランス)徹底ガイド!選び方・つけ方・おすすめアイテム
メンズ館1階コスメティクスInstagram:@ isetanmens_cosmetics
どこにいても、店頭の商品を、百貨店の接客でおもてなし。
アプリ内で店頭の商品を接客から決済/お渡しのご指定までどこにいても実現できます。
チャットはもちろんビデオ通話で実際にお品物をご覧いただけます。
三越伊勢丹リモートショッピングをご利用いただくには、専用アプリへログインが必要です。
またその後の利用方法についてはごちらをご覧ください。
Text:ISETAN MEN‘S net
*価格はすべて、税込です。
*本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
伊勢丹新宿店 メンズ館1階 コスメティクス
電話03-3352-1111 大代表
メールでのお問い合わせはこちら