【特集】木の“個性”が光るプロダクトが一堂に。職人集団<TIMBER CREW/ティンバークルー>のポップアップがメンズ館で開催
- 09.07 Wed -09.20 Tue
- 伊勢丹新宿店 メンズ館1階 プロモーション
フローリングをはじめとする木材のエイジング加工や特注色塗装を得意とする東京・調布の建材メーカー<TIMBER CREW/ティンバークルー>によるポップアップイベントが9月7日(水)から9月20日(火)まで、伊勢丹新宿店メンズ館1階プロモーションで開催される。
ポップアップには、同社の日常的に愛用できるアイテムを生み出すプロダクトライン「ティンバークループロダクツ」が手掛ける木工製品約25種類が並ぶ。その原材料は、製作過程で出た端材や形状がいびつで一般に使い道の限られる木材。行き場を失っていた素材の“個性”を最大限に活かし、唯一無二の逸品に生まれ変わらせている。イベントを前に工房を訪ね、作り手のこだわりや思いを聞いた。
「気鋭の建材屋」のオリジナリティー
きっかけは、もったいない精神
東京・調布に拠点を置く<ティンバークルー>は、2010年に立ち上がった。設立初期にアパレルメーカーから店舗に使う床材のエイジング加工の依頼を受けたことをきっかけに、試行錯誤を重ね、その分野に強みを見出した。クライアントの要望やイメージを的確に応える技術が業界内で「気鋭の建材屋」と評判になり、床材以外にも店舗の什器やウィンドウ・ディスプレーを手掛けるようになり、活躍の幅を広げていった。当初3人だったメンバーは現在20人を超えている。
そんな職人集団から約2年前に誕生したのが、「ティンバークループロダクツ」。オリジナルのウッドプロダクトを作る、自社ブランドだ。<ティンバークルー>はその始まりについてこう説明する。
「子どもが生まれたスタッフの家族に積み木をプレゼントしたのがきっかけなんです。さまざまな製品を作る過程で大量の端材が出て、以前はトラックに積んでそのまま処分してました。ただ、それってすごくもったいない。何かに活かそうと、みんなで端材を使っていろいろと作ってみるようになりました。自分たちがほしいもの、いいなと思うものを自分たちの手で作るというのがテーマですね」(<ティンバークルー>、以下同)
傷は個性でカッコいい
「ティンバークループロダクツ」では、器やカッティングボード、玩具などの端材を活用した小さな製品の他にも多彩な木材を使っている。木の伐採後に森に残された切り株や、腐食部分を丁寧に取り除いた倒木をスツールなどとして甦らせる。また形状がいびつだったり、樹皮付きだったりして一般的には不均一で扱いにくいとされる木材も積極的に活用。そうした素材からできあがった製品はいずれも、もともとの形状が活かされ、その自然の造形美が大きな魅力になっている。
「<ティンバークルー>は社内デザイナーはいません。だからプロダクツ部門では、あらかじめ図面を引いてこういう形にしようという流れではなくて、素材を見て『ここが面白いから活かしたい』と思って作っています。傷がついていたり、割れていたりするものでも、魅力を見出して『カッコよく見せるにはどうしたらいいのか』を考えています。スタッフには人間的に個性が強いメンバーが多いので、そういう社内の雰囲気が表れているのかなと思います」
“遊び”がアイディアを生む
<ティンバークルー>は技術力だけでなく、その自由な社風でも注目を集めてきた。工房にはヒップホップが流れ、スタッフはオリジナルのTシャツとデニムに身を包む。昼休みにはスケートボードで遊び、夜は一角にあるバーカウンターで仕事を終えた人々が瓶ビールを片手に談笑する。BBQや飲み会などのイベントを定期的に開き、社内のコミュニケーションを大切にしている。作業の時間とは別に、“遊びの時間”を通じてアイディアが生まれることもしばしばあるそうだ。
「一緒にご飯を食べたり、飲みながら『それやってみようよ!』という話になることはけっこうありますよ。あれこれ考えるよりも、まずは手を動かすことを重視している社風もいろんなアイディアが形になりやすいのかもしれませんね」
自然の造形美が際立つ、注目の3製品
さて今回のポップアップイベントに向け、<ティンバークルー>は「もともとの木のカッコよさを楽しんでほしい」と語る。約25種類の製品が出品予定となっているが、その中で特に注目したい3点を紹介していこう。「世界にひとつ」が定番:ログスツール
まずは、「ティンバークループロダクツ」の定番製品であるログスツール。原材料は国産檜(ひのき)とウォルナットの2種類を出品予定だ。虫食いや腐食部分を取り除いて成形しているため、座面も脚も一つひとつ形状が異なっている。割れや節などで隙間が空いたところに埋め込む「チギリ」には、通常木材を使うケースが多いが、このログスツールではアクリルや真鍮を採用し、可愛らしいアクセントになっている。
曲線美が活かした力作:屋久杉お香立て
続いて、屋久杉を使ったお香立て。屋久杉とは、屋久島の標高500m以上に自生し、樹齢1000年以上の杉を指す場合が多い。現在では屋久杉の伐採や競りは禁止されているが、それ以前に流通していた木材を仕入れていた。もともとの流線型の形を活かしながら、合成樹脂のレジンを組み合わせて底面を平らにしている。たくさんの試行錯誤の末に完成したという力作であり、自信作。屋久杉の滑らかな曲線と無垢の木目が美しい。
“ありのまま”がカッコいい:黒檀フラワーポット
最後は、アフリカ黒檀(こくたん)のフラワーポット。黒檀は堅くて丈夫であり銘木として家具や楽器に重宝されるが、アフリカ黒檀は黒檀の中でも特に真っ黒であり、貴重な種類だという。魅力を最大限に引き出すため、“ありのままのカッコよさ”を意識。切り株に上品な真鍮脚を取り付け、鉢花を入れられるホールを作った。SサイズとLサイズの2種類を出品する。<ティンバークルー>の植栽造園事業部「タン」とのグリーン商品と一緒に展開している。
- 開催期間:2022年9月7日(水)~9月20日(火)
- 開催場所:伊勢丹新宿店 メンズ館1階 プロモーション
Photograph:Yusuke Iida
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