2010年、デビュー直後に本国のデザイナーオブザイヤーに選出され、アート、グラフィック、カルチャーを織り交ぜながら、こだわり抜いた世界各国のファブリックを用い、洗練されたウエアを手掛けるオーストラリア発のブランド＜Song for the Mute/ソング フォー ザ ミュート＞。3月2日(火)まで伊勢丹新宿店 メンズ館2階 メンズクリエーターズにてプロモーションを開催中だ。

幼少期からお互いを知る2人の男女によって生み出される世界観は唯一無二で、オーストラリアならではのリラックス感を体現しながらもエッジの効いたウエアデザインが大きな魅力。今回は2人に、特に注目してほしいアイテムを用いて、オフィシャルルックにはないスタイリング提案していただいた。




先日公開したインタビューにあわせて、ここではブランドを手掛けるMelvinとLynaのお二人に、渾身のアイテムを使用し、特別にスタイリングを提案してもらった。2人のこだわりが詰まったファブリックや、デザインの解説にも要注目だ。

コットンギャバジンのサマーセットアップはハンドメイド仕様

Recommended by Lyna

「私が普段の生活でも着たいものとして制作したダブルスライダー仕様のベストは特におすすめです。このベストは下に長く垂れたサイドのアタッチメントが特徴的で、シャツの上に羽織っても、ジャケットやコートなどアウターの上から羽織ってもOK。着こなしのアクセントに好適です。

老舗メゾンと同じ工場で仕立てた生地は、高級感の漂うなめらかなもの。Karim（Lynaと公私ともに仲良く、彼のアイデアを活かしたカタチで今回のコレクションを制作）のドローイングをベースに制作した猫のピンも、ポイント。こちらも脱着可能です。」


「70年以上もの歴史を有する尾州産地で有名な愛知県一宮にて生地から作り上げたコットンギャバジンのジャケットと、ベルトループが特徴的なハーフレングスのパンツです。ライニングの生地も＜Song for the Mute＞のオリジナル生地を使用しています。胸ポケット部分に付けられた脱着可能なタイダイ染めのアクセサリーもハンドメイド。パンツやジャケットなど、他のアイテムにも装着することができます。」


「またポケットの付けられたパッチは、今季テーマの重要人物であるKarimのドローイングをベースに、縫製やフリンジなど、すべてハンドメイドで施しました。ドローイングのインスピレーションは、彼のスタジオにある花瓶や部屋です。」

ディレクターが撮り下ろしたフォトプリントシャツと毎日穿きたくなるリラックスパンツ

Recommended by Melvin

「今季のコレクションの中でも特に好きなアイテムで、私自身も毎日のように着用しているのがこちらのイージーパンツです。イタリアのファブリックなのですが、＜Song for the Mute＞のオリジナル生地となっています。柔らかくて、肌触りもよく、ゆったりとした作りがとてもリラックスできます。裾にドローコードを備えているため、絞ることでシルエットに変化をつけることができるのもポイント。」


「ショートスリーブのシャツはLynaがアーティストスタジオにて、35mmフィルムで撮った写真をデジタルプリントしました。これまでコレクションの中でデジタルプリントをあまり用いてこなかったので、ブランドにとっても印象深いアイテムとなりました。」

素材のみならず、カッティングとシルエットで唯一無二の世界観を表現

Recommended by Melvin

「イタリア産のオリジナル生地で、ハンドメイドで柄を作成しましたジャケットです。裾でシルエットを絞ることができ、機動性を重視した立体的なアームホールのカッティングも特徴的。フードは襟周りに収納もできます。」


「一方パンツはブランドとして初めて日本のレース生地を使用しました。内側部分は、シルクのような肌触りのいい軽量素材を用いています。ダブルレイヤーにすることで立体的なラインを生み出し、さらに裾部分が絞れることでシルエットの調整が可能となっており、スタイリングの印象を変えることができるのです。ルックブックのファーストルックにも使用している、今季人気のアイテムのひとつです。」

「今回、私たちがコレクションから特にお気に入りのアイテムを選んでスタイリングをご紹介しましたが、ぜひお客さまや、伊勢丹のスタッフの皆さんに、ご自身で自由にコーディネートしてもらいたいです。皆さんがどのように自分のスタイルを作るか、とても興味深いです。」