ナイロン×レザーの傑作ブリーフケースでお馴染み、45年目を迎えた<Felisi/フェリージ>の変わらないこと
この冬、<Felisi/フェリージ>の定番ブリーフケースにイセタンメンズ別注モデルが登場した。こう書いただけで、勘のいい人なら、あぁ、あのモデルだなと見当がつくはず。それほどまでに「8637/2」は、<フェリージ>を代表するモデルだからだ。
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ブリーフケース「8637/2」71,280円
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シルキーなタッチに上品な光沢を湛えるナイロンボディに、トスカーナ地方で天然の植物タンニンを使ってなめされたバケッタレザーの組み合わせは軽さと耐久性を実現するもの。それまでの重たいレザーのビジネスブリーフに革命的に降臨した。アイコンデザインにもなっているのはフロントのレザーフラップで、スナップボタンを外すとジップポケットが配されている。このデザインは様々なモデルに転用され「フラップシリーズ」として、ブリーフのラインナップを拡充したり、トートバッグに転用されるなどしているのだ。
あまり知られていないが、一部のモデル名に数字を冠しているのにも意味がある。「8637/2」の「86」とは1986年に最初のデザインが起こされたことに由来する。その次の「37」とは、37番目のデザインということだ。「/2」とは、改良を加えたセカンドバージョンを意味している。当初フラットだったハンドルは、中にコットンロープを巻いたレザーハンドルに、各部ジップのスライダーはフリンジからスポンジを挟み込んだレザープルタブに、日本へと持ち込まれる際に変更された経緯があるのだ。
ブリーフケース「8637/2」108,000円
*伊勢丹新宿店限定
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イセタンメンズの別注モデルでは5色を展開する。オールレザー仕様で登場したそれは、ネイビー×ネイビー、グリーン×ブラック、ブラック×ブラック、ベージュ×ダークブラウン、ダークブラウン×ダークブラウンの5色を用意している。
「フェリージ といえばネイビーのイメージがあるようで、やはりネイビー×ネイビーは外せません。ブラックは定番色として、トレンドカラーはグリーンとブラウン系というカラーパレットです」。
そう話す岡安 勲さんは<フェリージ>の日本総代理店フィーゴの担当者。今回の別注モデルにも尽力していただいた。
「別注のオーダーは、以前から柔軟に対応しています。フェリージはつねに、お客様の希望をできるかぎり叶えたいと考えているんです。色やデザイン、容量など、お客様から注文があれば一から作成することも厭いません。しかしながら、現行の8637/2モデルのデザイン変更に関して頑なに受け付けてくれない部分があるんです」。
本当に変えないのはデザインではなくモノ作りのスピリッツ
申し訳なさそうに岡安さんが示したデザイン上、変更を許さない箇所は3点。それは、別注に柔軟な<フェリージ>が、頑として守り続ける自身のアイデンティティでもある。
ひとつはショルダーストラップが付かないこと。
意外にもこの「8637/2」ブリーフは、ショルダーストラップを取り付けることができない。手持ちのブリーフケースに取り外し可能なショルダーストラップが付属するのは、他ブランドでは一般的だが、<フェリージ>はスーツのビジネスエグゼクティブが、ショルダーバッグを肩がけで持つことを決して認めないのだという。取り外し式のショルダーストラップが付属するモデルは、デザインや仕様、モデル名までも変えて、同じフラップシリーズの別モデルとして展開されている。
もうひとつは底鋲を取り付けないこと。
オフィスはもちろん客先、移動の車内などで床面にバッグを置くとき、ついていると安心な底鋲は潔癖な人にとってはマストなディテールだ。しかしフェリージ は「8637/2」に底鋲を決して取り付けない。そのぶん高い耐久性のあるレザーを底革に使っていることを誇りにしている。底材の如何に関わらず、もちろん他のモデルに底鋲付きのモデルは存在する。しかしこの「8637/2」に底鋲をつけることを、フェリージ は決して首を縦に振らない。
そして3つめは、ハンドルにネームタグを必ず付属させること。
近年は個人情報保護の観点や、トレーサーシステムの発達によって、ネームタグは敬遠される傾向にある。しかしフェリージ はネームタグを外さない。もちろん、使用時に自分ではずせばいいだけのことなのだが。
「昔は取引先で散々言われましたが、最近では皆さん分かってきていただいて、この3点は絶対に変えてもらえないということが浸透してきているようで、別注時に言われることがなくなりました」。
岡安さんはそういって頭をかいた。こだわりというか、頑なというか、変えないことはブランドの誇りでもあるとはず。だからこそ尊重したい気持ちもあるのだろう。
「でも本当に変えないというか、絶対に変わらないのは彼らのモノ作りのスピリッツ。それはユーザーへのホスピタリティです。デザインより仕様よりコストより、使う人の気持ちになって細部まで作り込む。その考え方は、フェリージ がスタートした45年前から、いまも変わらない最も頑なな部分だと思います」。
Photo:Tatsuya Ozawa
Text:Yasuyuki Ikeda
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