カーボン素材を手にすると、新鮮な驚きがある

 

――ブランド<ヒデケイ1896>の1896は、家業の創業年だったんですね。

ブランドに最も大切なものはコンセプトです。<ヒデケイ1896>は、「見た目が美しく、質感の良いソフトカーボンを作ろう」という思いからスタートし、4年前のスタート時には、カーボンにPVCを混ぜた素材でスマートタブレットケースを作って、メンズ館8階=イセタンメンズ レジデンスで販売しました。「柔らかさを手にしてほしい」と、財布や名刺入れなどのコレクションを作っていきました。

©hide k 1896


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――<ヒデケイ1896>の名刺入れはブランドのアイコン的存在になっています。

ブランドスタートからさまざまな試行錯誤を続けて製品化してきましたが、<レクサス>のラグジュアリースポーツカー「LFA」のカーボン繊維と同じ素材を用いたダブルネームのランドセルや、<ライカ>のボディに使った「LEICA Q CARBON LIMITED EDITION」など、ファッション業界以外からもカーボン素材の注目は高まっています。<ヒデケイ1896>でも新たにカーボンにウレタンを混ぜたより柔らかいソフトカーボンを開発し、「軽く、しなやか、タフ」という特性を活かした、2泊3日ほどの旅行に適したサイズのボストンバッグとブリーフケースを今回先行発売します。カーボン素材自体の軽さに加えて、ハリが強いので、成型のための中芯が必要なく、圧倒的な軽さはぜひ店頭で手にとってみてください。

©hide k 1896

©hide k 1896

モノ作りの価値は、工場を作ることから始まった

 

――長野のNiKKi Fronの115周年記念事業として、工場をリニューアルされたのも春日さんが指揮を執ったとか。

社長在任時の2011年に、記念事業の一貫として、真っ白なアトリエ「the NiKKi Fron park」を作りました。家業を「地元の新しい産業にしたい」という思いと、「モノ作りの価値は、工場にある」という考えから、40年前のファクトリーをリニューアル。「コンシューマーのための素材工場」を理念とするゲストファクトリーを作りました。アトリエはル・コルビジェへのオマージュで、私が設計。ゼネコンを使わず、地元の施工会社で建てました。エルメスやルイ・ヴィトンのように「作り手の気持ちや感覚を大事する」ファクトリーを目指しています。



日本から世界に通用するラグジュアリーブランドを

 

――今回先行発売するバッグコレクションで、<ヒデケイ1896>はトータルブランドとして一歩踏み出すわけですが、今後の展開は。

<ヒデケイ1896>は日本の歴史、文化、技術、そして感性を詰め込み、日本発のラグジュアリーブランドとして世界に打って出たい。カーボンは、いろいろな分野に適用できる素材。マーケットは全世界です。

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*価格はすべて、税込みです。

Photo:Suzuki Shimpei(Interview)

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