【特集】いま大人の男女が求める筆頭アウター<Barbour/バブアー>2大定番の魅力に迫る!
世界中から愛される英国ブランド<バブアー>。同ブランドのワックスドコットンジャケットは、ついつい着たくなる、定番ならではのエターナルな魅力に溢れている。着こなしを選ばずオンオフ使えるちょうどいい着丈やデザイン、英国のロイヤルワラントブランドながら約6万円から買えるコストパフォーマンスや、メンテナンス次第で長く付き合える耐久性。そして、男心をくすぐる歴史的背景など人によって感じる魅力もさまざま。時を越え、国を越え、性別を越えて、愛され続ける<バブアー>の魅力に迫る。また、今回は中でも人気の2型「ビデイル」「ビューフォート」をクローズアップし、ご紹介していく。
130年近く愛され続ける<バブアー>のはじまり
1894年イングランド北東部のサウスシールズにて、ジョン・バブアー氏が創業した<バブアー>。元々、悪天候の下で働く水夫や港湾労働者のために、コットン生地にワックスを染み込ませることで耐水性を高めた防寒着を提供したのが始まり。
その革新的なワックスドコットン製のジャケットは耐久性が高く、第一次、第二次世界大戦中には、高い機能性から英国軍にも供給していた。そして長年にわたる真摯なものづくりとこだわり、高品質が認められて、1974年にエディンバラ公より、1982年にエリザベス女王より、1987年にはウェールズ皇太子殿下より、イギリス王室御用達(ロイヤル・ワラント)の栄誉を授かっている。
タイムレスなアイコン「ビデイル」「ビューフォート」を続々と輩出!
撥水性にすぐれたワークウェアとして、労働者や軍への供給を続けるだけでなく、広く一般にも愛される定番アイテムを輩出しているバブアー。1970年代に入ると、ハンティング、フィッシング、乗馬といったフィールドアクティビティを好む、英国上流階級のためのアウターを次々に登場させる。1980年に発表された「ビデイル」は乗馬用ジャケットとして登場、1983年にはハンティング用の「ビューフォート」が発売される。品質もさることながら、着用する人のシーンにしっかりとフィットし、瞬く間に人気が広がっていった。
伊勢丹メンズのバイヤーが語る<バブアー>の魅力とイメージを一変させた「ビデイル SL」の登場!
以前の同ブランドを担当していたバイヤー井波は取材をした際にこんなことを語ってくれた。
「ヴィンテージを着るようになって、古着の持つ魅力を知れば知るほどに、『ヴィンテージはデニムだけじゃないんだ』と気づかされたのが<バブアー>でした。英国・ロンドンに出張中、現地のおじさんたちが、雨が降る中、傘もささずにワックスドコットンのジャケットを着ているのを見て、『あ、そういうことなのか』と気づかされたことが特に印象的でしたね。父から子へ、子から孫へとメンテナンスを繰り返し、ぼろぼろになる寸前まで着ているのを実際に見て、良いモノを長く着ることの本当の意味を知ったような気がします。」
これこそ正に、時を越えて支持され続ける理由だろう。また、「ビデイル SL」登場時の衝撃について語ってくれた。
「今から10~20年ぐらい前の一般認識では、<バブアー>=ワックスドコットンで、“重たい、臭い、暗い(笑)”イメージでしたが、それを一変させたのが『ビデイル』のモダンフィットである『ビデイルSL』でした。私の記憶では最初、日本300着限定で発売されていたと思いますが…。『ビデイルSL』はラグランスリーブのオーセンティックなデザインに、従来モデルにはない洗練された細身のシルエットがたちまち人気となり、グローバルなモデルに発展。上品に着られるファッションアイテムとして進化を遂げています。<バブアー>のイメージをガラッと変えたのは、『ビデイルSL』を支持した日本人の美意識といってもいいのではないでしょうか。」
「スマートに着られる『ビデイルSL』は、“スーツの上に着るアウター”として大きな変化をもたらしました。クラシックな選択ではチェスターフィールドコートが代表的なアウターですが、フィールドジャケットがスーツの上に着られるようになったのは<バブアー>の功績が大きいです。スーツの上に着られるのはもちろん、どんなボトムスとも合わせられる汎用性も高く、前からクローゼットにあったかのように着こなせる。気づいたら自分のそばにある傑作アウターなんですよね。」
気がついたら、ワードローブの中に馴染み、着続けられる1着となったのだ。変わらない良さを残しつつ、モダンフィットに変化させることで、日本人の美意識とスタイルにフィットし、魅力を更に開花させることとなった。
自分色に染まるワックスドコットンの魅力
<バブアー>の大きな魅力の一つは、「ワックスドコットン」だ。ワックスドコットンはさまざまな改良を受けて、“軽く、臭くなく、丈夫”な生地になってきている。革靴の手入れのように、きちんとメンテナンスすれば、長く着続けられる。私たちはジーンズのエイジングは当たり前のように受け入れているが、<バブアー>のワックスドコットンも着用したらブラシをかけるなどの手入れが必要で、それをユーザーに求める服でもある。
2年物のビデイルの風合い。同じ時に買っても着用する方によって異なる風合いに変化していく。
長く使うためにはそれに耐えるクオリティがないと、付き合いも始まらないが、<バブアー>は、工業規格に則ったベストクオリティ、デザインとのグッドバランス、本物のインポートという3つのバランスを見事に成立させているのだ。メンテナンスした分だけ、あなただけの<バブアー>に育ってくれるはず。
サイズ選び、フィット感を<バブアー>の2大定番で徹底比較!
ここからは、<バブアー>の2大定番である、「ビデイル」「ビューフォート」で、それぞれ、<SL(スリムフィット)>・<クラシックフィット(レギュラーフィット)>を着比べた着用感を見て頂きたい。
その歴史ある同ブランドからは、モデル名の他にも、<SL(スリムフィット)><クラシックフィット(レギュラーフィット)><OS(オーバーサイズ)>と異なるフィッティングが発売されている。(※モデルにより<OS(オーバーサイズ)>が無いモデルもございます。)
定番モデルでも、着丈の長さの違いや、モノづくりの長く着る1着だからこそ、ライナーの取り外しの有無や、スーツや、ジャケットの上に羽織る事を検討したサイズ選び、リラックス感のあるゆったり目のサイズ感など、さまざまな着こなしにも対応できるようになっている為、どんなスタイリングをしたいかによって、さまざまなモデルや、フィットを着比べて、検討してほしい。
フードは別売りで、自分のスタイルに合わせて後から追加できる。ライナーも付けられるので、秋・冬・春と3シーズン楽しめる。
バブアー女子の時代到来!
昨今トレンドになっているのが<バブアー女子>の存在だ。メンズライクの着こなしが人気という事もあるが、 女性が着るメンズの<バブアー>もまた、1つのスタイリングとして確立されてきている。そこで今回は、男性、女性に、代表モデルのビデイル『クラシックフィット(レギュラーフィット)』と『SL(スリムフィット)』を着比べてもらった。
そもそも『SL(スリムフィット)』・『クラシックフィット(レギュラーフィット)』の違いとは?
『クラシックフィット(レギュラーフィット)』と言われる通り、昔から出している定番のサイジングであり、古着や、ヴィンテージとして出回っているのはこのフィット感がほとんどだ。
『SL(スリムフィット)』は、現代的なサイズ感に各部をコンパクト・細身に修正したモデルとなっている。
肩幅や、身頃は細くしつつも、着丈や袖丈はレギュラーフィットよりも少し長めにするなど、微調整を行っている。また、全体的なシルエットを細身にしている分、レギュラーフィットに比べて、襟も少し小ぶりになっている。この辺りも参考にしつつ、各モデルの着用例を見ていきたい。
(左)クラシックフィット (右)スリムフィット
襟の幅もスリムフィット(右)の方が狭くなっている。
Ⅰ.乗馬用ジャケットとして開発された「ビデイル」
「ビデイル」は、乗馬用に作られている為、馬に乗った時のジャケットのバランスや、風の中で走り抜けることから袖回りに工夫が施されている。肩回りは動きやすいラグラン仕様になっており、動作などに合わせたデザインに。
ジャケットの後ろ側は、両サイドに切れ目が入っており、開閉できるスナップボタンがついた、サイドベンツの仕様(写真上)。現代では乗馬だけではなく、バイクでのツーリングなどでも着用されているモデルで、袖は風を防ぐためにリブ仕様となっている(写真下)。
「ビデイル」のスリムフィットとクラシックフィットを着比べてみました!
「クラシックフィット(レギュラーフィット)は、ゆったりとしたシルエットのパンツとの相性が良くバランスが取りやすいです。スリムフィットは細身の女性らしいキレイなシルエットで、トップスが薄くなる春秋シーズンも活躍しそう。」(横山)
モデル(伊勢丹 カテゴリースペシャリスト 横山):身長165cm
着用サイズ(左:スリムフィット36/右:クラシックフィット36)
「完成されたデザインと絶妙な着丈の長さは、ビデイルならではのデザイン。様々なボトムスと相性は抜群で今回は、ややテーパードチノに合わせてますが、テーラードジャケットの代わりにビデイルを羽織るのもオススメのポイントです。シルエットは優しく余るアームホール、身幅はこれからの冬に向けて地厚なニットを着てもストレスを感じない伝統を感じながら着ることが出来ます。バブアーを初めて着る方にもオススメのモデルです。」(垣本)
モデル(バブアースタッフ 垣本):身長170cm
着用サイズ(左:スリムフィット36/右:クラシックフィット36)
「クラシックフィット(レギュラーフィット)は腕回りや身幅にゆとりがあり、ボリュームのあるニットやトップスの上からでもストレスなく着用できます。スリムフィットはジャストサイズを選んでレザージャケットのように着こなすのがおススメです。」(小島)
モデル(バブアースタッフ 小島):身長180cm
着用サイズ(左:スリムフィット38/右:クラシックフィット38)
Ⅱ.ハンティングジャケットとして開発された「ビューフォート」
「ビューフォート」は、「ビデイル」に比べやや着丈も長く、お尻まで、隠れる着丈の長さになっている。また、ハンティング用として開発されている為、後ろ裾には、左右にジップで開閉できる、ゲームポケットと言われる、ハンティングで捕まえた獲物を入れておくポケットも備わっている(写真左)。現代では人によって使い方は様々だが、バッグいらずの1着としても重宝されている。
(右)クラシックフィットの袖口の仕様です。
また、ビデイルとの違いは、袖口にもあり、リブ仕様のビデイルとは異なり、クラシックフィットは、面ファスナーで、スリムフィットはスナップボタンで開閉が出来る仕様になっている(写真右)。スーツや、ジャケットの上から羽織った時の袖口の収まり具合も試して頂きたい。
「ビューフォート」のクラシックフィットを着てみました!
「ビデイルより着丈が長いので、ミドルコートのような感覚で着こなせます。」(横山)
モデル(伊勢丹 カテゴリースペシャリスト 横山):身長165cm
着用サイズ(クラシックフィット36)
今年40周年を迎えたビューフォートはビデイルよりも、身幅はスッキリとしていて袖にはウィンドストッパーを使用、これからのシーズン重ね着の際にもストレス無く脱ぎ着がしやすく風の侵入を防ぐ隠れたディテールがポイントです。大人が着るイメージが強い印象ですが、海外ではストリートカジュアルからイタリアクラシコなど様々なスタイルを良くみます。困った時にサッと羽織って出掛けてもカッコイイ!そんなモデルです。(垣本)
「ジャケットの裾がしっかり隠れる着丈の長さで汎用性が高く、オンオフどちらのスタイルともコーディネートしやすいです。ゲームポケット、前立て裏のジップ付ポケットと収納が多いのも◎」(小島)
左:モデル(バブアースタッフ 垣本):身長170cm
着用サイズ(クラシックフィット36)
右モデル(バブアースタッフ 小島):身長180cm
着用サイズ(クラシックフィット38)
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Photograph:Yusuke Iida
Text:MITSUKOSHI ISETAN
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