【特集】世界に誇る日本の伝統織物、尾州ウールの魅力とは。
一口に語ることが出来ない尾州の魅力
糸に始まり、織物、編み物、仕上げ加工までそれぞれの工程ごとに、多種多様なものづくりの技があります。主となるのは毛織物と言っても実にさまざまで、尾州の素材を一口に語ることはできません。堅実で実直なメンズ素材、色とりどりのウィメンズ素材…各ジャンルの中でまた奥深くたくさんの種類のテキスタイルがある、それが<尾州>の面白いところです。
伝統技術を活かした新たな挑戦
<尾州ウール>は世界的に有名なイタリアのビエラやプラートとも比べられるほど、高いクオリティを誇ります。そんな素晴らしい技術力を国内に発信しようと、三越伊勢丹では尾州の毛織物工場約20社と協業を決定。尾州の生地を使用し、20を超えるブランドが<尾州>コレクションを三越伊勢丹限定で展開します。
今回ご紹介するスーツに使われている生地には、伝統的な手法によって昔ながらの風合いを表現した、いわゆる「尾州スローファブリック」と日本の生活様式に合わせて企画した「尾州ツイード」の2タイプ。スローファブリック、ツイードともいくつか種類があり、各ブランドがそれぞれの持ち味を生かして料理をしています。<尾州ウール>の新たな魅力を感じていただけるはず。
また<J.プレス>は、国的な生地の風合いを目指したというネイビーの梳毛生地は独特なハリコシとしなやかさを持っているのが特徴。気品あるワイドラペルのジャケットに2プリーツパンツを組み合わせ、クラシックなエレガンスを現代的なシルエットで表現している。
<ティモシー エベレスト>は、ボルドーストライプを配したネイビーの梳毛生地を使用。ビンテージのような風合いが、同ブランドらしいシャープなシルエットで都会的に仕上げています。サヴィルロウの伝統的な技術を受け継ぎながらも、今の時代の気分を表現した一着。
しっかりとしたショルダーライン、スラントポケットなど、英国のブランドらしいディテールを取り入れた一着は、<マッキントッシュ ロンドン>のもの。ミディアムグレイの梳毛生地は、綾織で表面にアンティーク風のニュアンスをつけたもの。トラディショナルの精神が息づくスーツに仕上がりました。
<テーラー&カッター>は、無地に見えるミッドナイトブルーの地に、打ち込まれたようなネップの遊びが楽しい。素朴な素材をフレア袖でエレガントにまとめた。
手仕事の風合いを感じるモノトーンのヘリンボーンを採用した<テーラーケイド>は、わずかに毛羽をつけて仕上げた素材を、クラシカルでモダンなアメリカントラッドスタイルに。