青柳光則さんと歩く「秋のメンズ館」(2)は、「注目の新ブランド発見! ダブルブレストとコートが好きな理由」(1/2)
『惹きつけられるように手に取った<DoppiAA/ドッピアアー>』
――メンズ館5階=トレンドセレクションの印象はいかがですか?
今日は主にジャケットを拝見していますが、流行と定番のバランスが良いですね。僕はジャケットをもっとシーンによって着分けてほしいと思っていますが、ここのジャケットはセレクションの幅が広いので、休日のジャケットスタイルにふさわしいものもたくさんあります。
――休日のジャケットスタイルというのは?
たとえば仕事を離れたら、秋らしく起毛感のある素材や、大きなウインドウペーンの柄などを楽しんでほしい。男性は「どこでもジャケットを着ていけばいい」と考えがちですが、アフターファイブや休日などはもっとおしゃれを楽しんでほしいんです。この<ERNESTO/エルネスト>のジャケットはモヘア素材のタータンチェックで、ネップの作り方が新しく、着ていると男を上げますよ。
このダブルブレストのジャケットいいですね。とても好みです。試着してみましょうか。
――これは今春に誕生し、初の秋冬を迎えたイタリアのブランド<DoppiAA/ドッピアアー>です。
いいですね。カッコイイ。柄はクラシックですが、高いゴージ位置と思い切ったピークド、ラペルのきれいな刻みなどがとても素晴らしい。ブラウン系のパンツを合わせて着たいですね。
<ドッピアアー>ジャケット 108,000円
――青柳さんは“ダブル”のイメージがありますね。
僕は、「スーツスタイルはドレッシーな方が良い」という考えがあって、遊びに行くときでもドレッシーに、かつコーディネートは遊びたい。ダブルのジャケットは、Vゾーンが狭いので、思い切って色や柄で遊んでもあまり目立たないので、昔からよく着ています。あと、僕はダブルの前釦を開けて着ます。ベストがあるともっといいですね。
――仕事でスーツやジャケットを選んでいる人には、“遊び”という感覚は難しいです。
確かに、ビジネスのためにスーツを着始めた人は、きちんと見えることが第一ですが、僕は、70年代ディスコへ遊びにいくためにスーツを着始めましたからね(笑)。感覚としては遊び着ですよ。
――「道場」に来る人はどんな感覚でしょうね。
道場に来る人は、もうベーシックは出来上がっていて、さらに各々に工夫があるから見ていて楽しいですね。特に50歳後半から60代の男性はテーラードに対する思いが熱いですよ。あとはやはり、「遊びに行く」という視点も持ってほしいなぁ。
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